7話 ビックラビット軍団との戦闘1
丘菟はビックラビットと角兎5匹を前に、瞬時に状況を見極める。砂煙が収まり、二足歩行のビックラビットがこちらを睨む中、丘菟は深呼吸して声を張り上げる。「みんな、咄嗟の戦闘方針だ!前衛と盾役が出来る僕がビックラビットの敵愾心を受けるよ!セバスとピヨニットの2人は前衛職だから、2人で3匹相手にするように動いて!リルとアソンは1匹ずつ近づかれないように牽制して、倒せるようなら倒しちゃって!」とやや早口でまくし立てる。言葉が終わるや否や、丘菟以外の全員が「了解!」と掛け声のように返す。アソンが「ふふん、分かったわよ!」とドレスを翻し、リルが「うん、頑張る!」とタクトワンドを握る。セバスとピヨニットもそれぞれ武器を構え、準備万端だ。
話している間、ビックラビットは律儀に待つように動きを止め、両腕を軽く振ってシャドーボクシングを始める。その姿に丘菟は一瞬「何だこいつ…?」と思うが、すぐに気を取り直す。盾とナックルガードを「ガン!」と打ち鳴らし、左側へ回り込む。「こっちだ、デカウサギ!僕が相手だ!」と叫び、ビックラビットのヘイトを引きつける。ビックラビットが「ピギッ!」と一声鳴き、長い脚で地面を蹴って丘菟に向かってくる。その行動に合わせ、仲間達が指示通りに動き出す。丘菟は盾を構えつつ、横目で仲間を確認する。予定した形に持ち込むため、全員の連携が鍵だ。
セバスは正面の角兎にエストックを一突きし、「御意に!」と低く呟いてバックステップ。角兎が「ギィ!」と跳ねるが、距離を取られ追撃を躊躇う。ピヨニットは丘菟側の2匹に向かい、「御主人様の為に!」とダートナイフを投げる。ナイフが角兎の足元に突き刺さり、「ギッ!」と動きを止める牽制に成功する。リルは「光弾!」と叫び、タクトワンドから放たれた光球を角兎の突進に合わせて前足に速射する。「パン!パン!」と連発し、角兎が「ギィ!」と前のめりに転倒、昏倒する。アソンは「掛かってきなさい!」と扇を広げて挑発し、優雅にステップを踏む。角兎が「ギィ!」とアソンに突進しかけるが、距離を保たれる。これで予定した形が整ったのを、丘菟は横目で確認する。
ビックラビットが丘菟に迫り、太い腕を振り下ろす。「ゴゥッ!」と重い音が盾に響き、腕が痺れるが、丘菟は踏ん張って耐える。「よし、こっちに集中してる!」と呟き、ナックルガードで反撃を試みる。「ガキン!」と拳がビックラビットの胸に当たるが、硬い毛皮に弾かれる。丘菟は「硬いな…でも動きは遅い!」と距離を取りつつ左へ回り続ける。その時、横目で昏倒した角兎を見ていたセバスの三白眼が鋭く光る。「ピヨニット、ちょっと3匹を一分ほど見ていてくださいな」と言う。ピヨニットが「へ?」と返事も考える間もなく、セバスが昏倒した角兎の元へ素早く移動する。
セバスはエストックを手に、華麗で見るからに速い三段突きを繰り出す。「シュッ!シュッ!シュッ!」と風を切り、角兎が「キュー」と一声泣いて白い塵となって消える。リルがポカンと口を開けて見つめ、セバスが「見事なアシストで御座いました」と微笑む。「丘菟様のサポートへ向かってください」と指示すると、リルは半拍置いて「あっ、うん!」と状況を理解し、タクトワンドを握り直す。セバス達の後から周り、丘菟の所へ向かう。丘菟はビックラビットの攻撃を盾で受け流しつつ、「リル、来てくれたか!」と笑う。平原に戦いの風が吹き荒れる中、仲間達の連携が一段と強まる。
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