17話 部活の面々、先輩と顧問と従姉妹
部室のドアが軽くノックされ、顧問の二宮金之助先生が入ってくる。
「お、賑やかだな」と笑いながら、教卓に鞄を置く。
中年の落ち着いた雰囲気で、文芸部の活動を温かく見守る存在だ。
続いて、1年時からお世話になっている先輩たちが顔を覗かせる。
男子3名と女子1名だ。
松本悠斗(マツモト ユウト)は3年生で部長、長身で穏やかな笑顔が特徴。「丘菟、遅れてすまんな! 今年も頼むな」と軽く手を振る。
石川大輔(イシカワ ダイスケ)は同じく3年、がっしりした体格で、「締め切り近いからな」と呟く。
高橋翔太(タカハシ ショウタ)は眼鏡をかけた3年で、「デザインの相談したい」と静かに言う。
そして、花敷美奈(ナナシキ ミナ)が続く。彼女は丘菟の父方の従姉で、3年生。
ボブカットの髪と柔らかな笑顔が丘菟と似ている。「丘菟、元気?」と優しく声をかけ、鞄からクッキーを取り出す。
アソンが「お、美奈先輩の差し入れ!」と反応し、部室が一瞬賑わうが、二宮先生が「はい、部活の話は軽く済ませておけ」と仕切る。
丘菟は美奈に誘われて文芸部に入り、1年次の夏に両親が転勤してからは特に彼女を頼りにしている。
アソンが「じゃあ、部誌のテーマは各自考えておいて」と提案し、皆が頷く。
松本は「俺は短編小説でも書こうかな」と考え、石川が「詩でいこう」と呟く。
高橋は「レイアウトに集中するよ」と決め、美奈が「丘菟と一緒に何か書きたいな」と微笑む。
藤原美咲は「テーマ絞らないとね」と冷静に、佐藤遥香は「データ調べようかな」と眼鏡を直す。
後輩の林彩花は「挿絵描きたい!」と明るく、小林真緒は「私も絵かな」と笑い、田中梨乃は「文章…考えてみます」と控えめに言う。
丘菟は「何か書こう」と静かに決める。
リルのホログラムが腕の端末から浮かび、「丘菟、口元が上がってる楽しそうね」と囁く。
部室の空気が穏やかに落ち着き、各自が思いを巡らせる。
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