14話 小テスト、学食、部活へ
昨日の始業式と委員決めとは違い、1年時の終わりから久しぶりの授業が始まった。
2-Bの教室では、どの教科の担当教諭が学力を試すように小テストを用意している。
数学の教諭が「新学期早々だけど、頑張ってね」と笑うと、教室に軽いため息が漏れる。
僕はノートを広げ、方程式の問題に目を落とす。
頭を使うたび、糖分の消費が早そうだと感じるがペンを走らせ、計算を進めると隣の席の生徒が「難しすぎるよ」と呟く。
国語の時間も漢字の書き取りと読解の小テストだ。
悪戦苦闘の末、昼休みはいつもの学食へ向かう。
食券を買う為並び魚定食を選び、焼きたての魚と味噌汁の香りが疲れた頭を癒す。
窓際の席に座り、外の桜を見ながら箸を動かす。
午後の授業も小テスト続きで、英語のリスニングと理科の実験問題を消化する。
頭が少し重くなり、糖分が恋しくなる。
授業が終わり、各々が担当する持ち場へ向うが丘菟は教室担当なので窓を拭く事にする。
ガラス越しに春の風が感じられ、少し気分が軽くなる。
ショートホームルームが終わり次第、部活動へ向かう。丘菟は料理部と文芸部の兼任だ。
料理部は母に「ちゃんと食べてる?」と心配されたのがきっかけで入ったもの。
鞄を持って教室を出ると、リルのホログラムが腕の端末から浮かび、「部活、頑張ってね!」と笑う。
桜色の髪が揺れ、青い瞳が輝く。僕は小さく頷き、校舎の奥へ歩き始めた。
文化部棟の廊下を進むと、料理部の活動日ではないことが頭をよぎる。
今日は文芸部の日だ。部室に近づくにつれ、賑やかな声が聞こえてくる。
現実の僕には少し騒がしく感じるけど、リルの「楽しそう!」という声に小さく笑う。
春の日差しが廊下に差し込み、部活への期待が膨らむ。
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