ワクワクな思いに

私はスマホの前で硬直してしまう。えっ、デ、デート?ってあれだよね…えええええ、デー、トに誘われちゃった。ビックリしてずっと返信をできずにいると、ピロン、と明るい着信音が鳴る。その音にビクッとしてしまう。

星「どこか行きたい所ある?」

美「そうだな…。水族館とかどう?」

私はベタなデート先をチョイスした。

星「分かった!土曜日は空いてる?」

美「空いてるよ!」

星「じゃあ、9時に駅前の噴水集合で!」

そして最後にスタンプで

星「楽しみにしてます!」

と言っていた。これまでのトーク画面を見る。

「約束…。しちゃった」

やっぱりまだ実感がわかない。えええええ、服とかどうすればいいんだろう。髪型は…。メイクもしたほうがいいかな?…あぁ、そういえばあの日もこんなふうにワクワクしていたな。




それで、私はあの子を殺した。




嫌な思いが駆けめぐり、頭をブンブンとふる。そしてクローゼットを開け、自分の持っている服を全部出し、並べる。…こうしてみると地味な服が多い。あああああ、どうしよう。

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