第95話
「でも、他のやつと付き合ったりしても、全然ダメなんだ。いつもお前の、桜子のことばっかり考えちまうし。お前が他の男と話してるの見るだけでイライラするし、今までこんなこと無かったのに、病気みたいに」
ストレートな、飾らない言葉を向けてくれるタツ兄さんが見ているのは私
。
どこか遠くで、他人事のように思えていた現状が、だんだん眩いほどの色を伴って脳に直接訴えかけてくる。
「俺の全部が、桜子中心にまわってんだ、どうしようもなく」
真直ぐに視線を合わせて言葉を紡ぎだすタツ兄さんが、その瞬間。
どんなイケメンの芸能人よりも、大好きな漫画のヒーローよりも、誰よりも格好良く見えた。
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