第4話 バイト

「なあ、正広、夏休みどうする?」


浩が聞いた。すると正広が提案する。


「バイトしようかなぁ。」


浩(ゆたか)と正広(まさひろ)は、志乃生や英介と同じ学校の一年で、小学生時代からの付き合いだ。


目立たない子達で、部活とかは、特にやってない。


「バイトってどんな?」


浩が聞いた。


「港の近くの運送屋が、倉庫整理のバイト募集してたよ。」


と、正広は説明した。


二人は早速、面接を受けに行った。


美波運輸は、地元では有名な運送会社だった。信頼ある会社だから、そこでのバイトは社会勉強になる。


二人の親はバイトを了承した。


面接は、そこの社長がしてくれた。その社長というのが、少しお腹の出た貫禄のある人で、無精髭を生やしたガテン系のおじさんで、正直見た目は怖かった。


「いや、助かるよ。若い子が手伝いに来てくれて。」


見た目によらず、社長は優しかった。


7月下旬。夏休み突入。


二人はバイトに勤しんだ。


倉庫の中は暑かったが、二人は新鮮な気持ちだった。


正広が、ある大きな荷物を見つけた。カーキ色した金属製の大きな箱だ。


「何だろ、これ?」


正広が言う。すると浩が正広に、呆れた様に言った。


「もうっ、喋ってないで動けよ。」


二人は、その大きな金属製の箱を所定の場所に移動しようとした。


が、その時、箱の蓋がズレて、倉庫の床に滑り落ちた。


ガラァン!!


大きな音が倉庫にこだまする。


二人はゆっくりと蓋の取れた箱を戻した。


見てはいけないものを見て、腰をぬかした。


SIG SAUER P220、ベレッタM92F、Cz75、コルトガバメント、オートマグⅢ、デザートイーグル、トカレフ、マカロフ、H&K USP、ベレッタM8000クーガー、357マグナム…。


浩はミリオタだったので直に分かった。


「おぉ!すげぇ!!」


浩の目が輝いた。すると正広が、それらの銃の下に、他の銃が隠れている事を発見した。


「何か大きなのもあるけど…。」  


すると浩はそれらに手を伸ばした。


「すげぇ、MP5じゃん、こっちはUZI、Vz61、あっ、イングラムだ!おぉ、ベレッタM12もあるじゃん!」


拳銃に続き、サブマシンガンまで出てきた。


「これ、ニュースとかで見た事あるな。」


正広が言うと浩が教えた。


「マジか!カラシニコフだ!おぉ、こっちはM4カービン!しかもグレネードランチャー付いてるじゃん!!」


浩の興奮が止まらない。正広は少し怖かったが次第に慣れてきた。


「あっちゃーっ、見られちまったか。」


そこに社長が立っていた。

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