捨てられたぼく【玩具】

君は僕を捨てた

僕はその理由を知らない

捨てる理由があって捨てたのだろう

僕は何かしただろうか?

君が僕を捨てて幾分か経つ

君は僕を捨てたことも忘れただろう

あれから君はどう過ごしているのだろうか?

捨てられた僕は君のことを知らない

知る術も見当たらない

その理由も知らない

僕はゴミ箱に捨てられたんだ

何か理由があってのことだろうけど

幼少期の君は

僕のことを凄く大事にしてたのに

僕にずっと喋ってたのに

そうか

もう「大人になった」から要らなくなったのか

玩具箱ではなく、ゴミ箱に捨てられた僕

僕はまだ君と一緒にいられるよ?

君は僕以外を大事にするようになったね

飾ったり

愛でたり

仲良くなって

僕以外の玩具ひとと一緒にいるようになったね

僕のことはもう見えなくなっちゃったのかな

「ボロボロになった君」

生まれてからずっといた

もう一緒にはいられない

「ボロボロになった君」

もう他が出来てしまったんだ

「ボロボロになった君」

もう修復できないんだ

「ボロボロになった君」

もうさよならするしかないんだ

「ボロボロになった君」

もう自分のことをどう思ってるか分からない

でも、自分はもう大人だ

君ともう一緒にはいられない

君を要らないとは思ってないんだ

ただ捨てるしかないんだ

「ボロボロになった君」

自分は君を捨てるはしたくなかった

でも、もう『さよなら』だ

ごめんな「ボロボロになった君」

玩具おもちゃだった僕

君とずっと一緒だった

壊れてしまっても直してくれたぐらいなのに

君が僕を捨てた理由を最期まで分からなかった

焼却炉の中で燃やされる僕

僕を捨てた時、君は泣きじゃくってたね

『ごめんね……』『ごめんね……』って

どうして?なんで泣いてるの?

君が泣くなら僕を捨てなきゃ良かったのに

『君に捨てられた僕』

焼却炉の中で燃やされて死ぬ

熱い……熱いよ……

君が死ぬ最期まで一緒に居たかったのに

もう出来ないんだね

さようなら『

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