私の物語は

私は物書きだ

今日も物語を紡ぎ書いていく

前までノートに鉛筆で書いていたが

最近はスマホのメモ帳に書いている

今日も1つ物語を綴っていた


私の物語を好きだと言ってくれたことが、とても嬉しかった

私の綴っていた物語が

やっと意味を成したんだって

嬉しさが込み上げてきた


どんどん吹き込まれる音声

私はそれに嬉しさを感じていた反面

たまたま私の物語を見つけただけだろうと

感じていた


どんどん書き溜まる物語

以前はノートの字面が真っ黒になるくらいに

書ききれないほど書いてきた

もしかしたら、書き殴ってただけかもしれない


私には欲が出てきたのか

もっと沢山の人に読んで欲しい

そう思っていた

だけど……

『私の綴る物語をどう思っているのだろう』


たったの200文字だけじゃなくて

もっと長い物語を読んで欲しかった

『読んで欲しい』


私は読んでくれる人を探した

……そうだった

私には人脈がない

ただの上っ面の人間しかいなかった

そうだった

『私の綴る物語はただのなんだ』


沢山書いてきたのはいいけれど

本当に……読んでくれるか分からない

不安と恐怖もあった

『読む』とは言ってくれた

『いつ読むか』とは言ってくれなかった

本当に……『私が綴った物語は良かったのか』

普段は表面上でしか言われないもので

私の物語がどんな風に見えているのか、分からなかったし

『好きだ』と言ってくれたことを、また疑ってしまっている


真っ黒になったノート

ようやく人前で出せる

物語をスマホに写していく

小さいタイピング音がする


私は物書きだ

今日も今日とて物語を紡ぎ書いていく

誰かの目にはとまることだろう

けど、今日も今日とて……

私の物語は……

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