Yotubeとテレビショッピングが生き残り続ける理由から情報伝達について考える

先日、友人と「父が『YouTubeはわからん!』と言うんだよね。」という話になりました。50歳以上の人にYoutubeが受け入れられにくい理由を考えるとき、「テレビショッピングが好きな世代」という視点が有効な気がしました。これは「人が情報を受け取る際に何を求めているのか」という問いにつながります。


 テレビショッピングは、商品を丁寧に紹介し、視聴者が納得できるまで情報を提供する形式を取ります。司会者が視聴者の疑問を代弁し、実演を交えて商品の魅力を伝えることで、視聴者は安心して購入の判断を下せます。このような「一方的でわかりやすい情報提供」は、特に50歳以上の世代にとって親しみやすい形式です。


 一方、YouTubeは膨大なコンテンツの中から自ら選択し、視聴する必要があります。自分にとって有益な情報を見つけるには、一定の検索スキルやリテラシーが求められます。さらに、同じ商品を紹介する動画でも、レビューの内容はバラバラで、信頼性の判断が難しいこともあります。こうした「情報の海から選ぶ行為」は、従来のテレビショッピングに慣れた世代には負担に感じられるかもしれません。


 また、YouTubeは視聴者の能動性を前提としています。自分で検索し、再生ボタンを押し、場合によっては関連動画へと移動する。その一方で、テレビショッピングは「何も操作せずに見ているだけ」で、購入までのプロセスがスムーズです。こうした受動的な視聴体験の快適さも、テレビショッピングが好まれる理由の一つです。


 さらに、テレビショッピングは出演者の顔や声を通じて「人」を感じることができます。長年親しんだキャスターや販売員が熱心に商品を紹介する姿は、視聴者に信頼感を与えます。一方、YouTubeの動画は匿名性が高く、誰が発信しているのかが不透明なことも多いため、視聴者は疑念を抱きやすくなります。


 しかし、これらの違いを乗り越えれば、YouTubeにも多くの可能性があります。たとえば、動画のコメント欄を通じて他の視聴者の意見を聞くことで、多角的に情報を得ることができます。また、自分の趣味や関心に合わせたコンテンツを見つける楽しさも、YouTubeの大きな魅力です。


 つまり、YouTubeが50歳以上の人に受け入れられるためには、「信頼できる情報提供」と「視聴者の不安を取り除く工夫」が必要です。商品紹介に特化したチャンネルを開設し、丁寧で分かりやすい説明を心がけることで、テレビショッピングのような安心感を提供できるでしょう。


 これは「人が安心して選択するために何が必要か」という問いへの答えを探す営みです。技術の進化とともに、情報との向き合い方も変化しています。その中で、誰もが安心して新しいメディアを楽しめる未来を目指すことこそ、私たちが考えるべき課題なのかも?

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