第24話

大きな通りから住宅街に入ってからは、アイの一歩後ろを歩いた。アイが曲がればわたしも曲がる。通って来た道を忘れないように頭に刻み込んだ。


さすが高級住宅街で、建っている家は大きな家ばかり。デザインもお洒落。都会とは言えないこの街だけど、ここは都会っぽい気がする。そんな田舎くさいことを考えたりもして、藍佑の一歩後ろから住宅街を眺める。


しばらくすると、ひときわ大きな家が見えてきた。




「あれ、アイの家でしょう?」




尋ねれば、恥ずかしそうに頷くのが見える。


やっぱり、そうだと思った。横に大きい二階建ての家。もちろん庭付き、綺麗な花はお母さんの趣味かもしれない。




「わたしの家の倍以上あるかも」


“おおげさ”




口をパクパクとしたから、たぶんそう言ったんだと思う。大き目の門が近付いてきて、隣を歩く時間が終わりなんだと自覚をしたらいっそうゆっくり歩きたくなった。


そんな自分に素直に従って止まっちゃうくらいにゆっくり歩く。それにアイが気付いて恥ずかしそうに頬を染めたから殴ってやろうかと思った、思っただけ。




『アイとギリギリまで一緒にいたい』


『っ』


『嘘か本当か、アイが決めていいよ』




少し前の会話を思い出して、考える。ギリギリって、どこまでだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る