第22話

切なげにわたしを見つめるアイの瞳、わたしが映ってる、わたしだけ。そうやっていつもわたしだけを映してるの、気付かれていないと思ってるの?


バカじゃないの。




「何言ってるのか全然分からない」




アイの言ってること全然分からない。アイの音がわたしの耳に届かないから、何言ってるのか全然分からないよ。


一瞬止まってわたしの言葉を理解した瞬間、くしゃっとアイの表情が歪んだ。


悔しそうに唇を噛んで手のひらをぎゅっと握る。ノートを開いて乱雑に文字を書く、わたしの目の前に差し出した。




“いじわる”


「、」




もっと違う、他の言葉を期待していたのに。何を期待してたのかはわたしにも分からないけど。




「……馬鹿」


“ウタはいつも誤魔化す”


「アイが喋らないから」




ぜんぶアイがいけない、何がとかもうよく分からないけどぜんぶアイがダメだから。


強く言い放ったわたしを悔しそうに見つめる、それだよ、それがいけないの。


言い返してよ、ウタがいけないって壁に押し付けるくらいしてみせて。

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