第8話
アイとわたしは徒歩で学校に通っているけど、入学したばかりの頃、わたしは自転車で、花園家のお坊ちゃまは毎朝車で登校していた。
近いという理由で受験したクセに自力で来る気は無いのかと問えば。
“俺、末っ子だから周りが甘やかすの。自分で行くって言ったんだけど誰も聞かなくて”
なんともお坊ちゃまらしい返答がノートに書かれた。
アイの言う通り、相当甘やかされているらく、当然のように毎朝車で登校してきていたし、当然放課後も自力で帰るなんてこともなく、放課後になると学校の前に迎えの車が止まっていた。
凄いなぁって見ていたわたしを振り向いたアイは
“乗ってく?”
と口をぱくぱくさせる。その時はまだアイが何て言っているのか分からなかったけど、たぶん送ろうかみたいなことを言われているんだろうな、なんて思った。
「いい、自転車だし」
断ったわたしにアイは、そっか、と残念そうに笑った。
それなのに今、わたしと藍佑お坊ちゃまが毎日一緒に下校する理由は、わたしが毎日アイを自宅か病院まで送り届けているからだ。
最近は病院の方には行かないから、ほぼ毎日家まで送り届けているんだけど。
大病院のお坊ちゃまのボディーガードにもならない普通の女子高生なのに、両親やお兄様はこうして一緒に帰ることを許可している。
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