第4話

わたしたちが仲良くなったキッカケは名前だ。


高校1年の最初の席替えで隣の席になったアイとわたし。そのときはまだ、“喋れない男の子”がめずらしくて、言葉と文字で会話することが新鮮で面白いな、なんて、のんきなことを考えていた。




“佑歌と藍佑って、同じ字が入ってるね”


「本当だ。読み方が違うけど一緒だね」




些細なキッカケ。だけどわたしたちにはそれだけで十分だった。




「花園って、あの花園病院の?」


“うん”


「そうなんだ、じゃあ、ここに入ったのも将来はお医者様になろうと思って?」


“それもあるけど、家が近かったから、ここにした”




あとから聞いた話によると、入試の成績が1番だったアイが新入生代表の挨拶をするはずだったけど、声を出すことが出来ないから他の人が変わりに代表で挨拶をすることになったらしい。




“そっちは何でここにしたの?”


「わたしは友達と離れたくなかったから」




即答したら、肩を揺らして笑われた。




「わたしたちって、似た者同士かもね」




わたしもアイと同じように肩を揺らして笑った。


今は似たもの同士だなんて、思わないよ。だってヘタレのアイと似た者同士だなんてゴメンだ。

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