出会い
第1話
高校からの帰り道――。
電車を降りて、駅前の商店街を抜けた住宅街を歩いていると、遠くから複数のバイクの音が聞こえてくる。
いかにも不良が乗り回していそうな音だ。
ヤダなあ、家に着くまで会わないといいけど……。
父と二人暮らしの我が家は、この先にある大小の工場が広がる地域にある。
大きな一戸建てが並ぶ静かな住宅街から、先月引っ越してきたばかりだ。
いや、戻ってきた。
父が経営する会社の事業縮小で、十年前まで住んでいたこの街に舞い戻ってきたんだ。
暮れなずむ街並みを歩いていると、近くの工場から機械の音が大きく聞こえてくる。
子供の頃に聞き慣れた音だからなのか、不思議と煩くは感じない。
駅の反対側には不良が多いと噂の男子高もあるし、この街はお世辞にも治安がいいとは言えない。
でも、つい最近まで住んでいた閑静な住宅街よりも落ち着くのは何故なんだろう。
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