第9話
成人祝いだ、と言って豪華なホテルでディナーをご馳走してくれた彼。そのまま流されるように同じホテル内にあるセミスイートの客室へとエスコートされ…
『誕生日おめでとう、柊奈』
大きな窓から見えるキラキラ輝く夜景をバッグに私にプレゼントを差し出してくれた宗悟くん。
二十歳という、ひとつの節目である誕生日に豪華なホテルに連れてきてくれた時から…本当は少し期待している自分がいた。
(……今夜、指輪をくれるのかな?)
なんて、淡い期待を胸に抱いていたものの。彼が私にくれたプレゼントは細長い箱で、中身はネックレスだった。
それでも、一目見ただけでソレがとても高価なものだということは凡人の私にもなんとなく分かった。
シンプルなデザインだが、トップの部分に流れ星のように散りばめられて埋まっているのはおそらく…ダイヤモンドだろう。
『……宗くん、ありがとう』
期待していたプレゼントとは違ったものの…私の為に彼が贈り物を用意してくれたという事実があるだけで、とても幸せだった。
『もう子どもじゃない、その呼び方…やめろ』
『……宗悟、、くん?』
『…柊奈が俺を呼び捨てで呼べるようになるのは、あと何年先だろうな?』
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