タロット少女は未来を変えたい〜運命を占う彼女と、占いを信じない俺の話〜

葉南子@アンソロ書籍発売中!

第0話 少年Rの戯言


 ——占いなんて、くだらない。


 そう思っていた。

 いや、今もそう思っている。

 

 今日の運勢? ラッキーアイテム?

 その場で思いついたことを適当に並べているだけに決まっている。

 だから「当たった」「外れた」なんて言ってるのを見ると、つい鼻で笑いたくなる。

 

 そもそもで、だ。

 未来なんて誰にも分からないし、決まってもいない。

 たかだか占いの一つや二つで未来がわかるなんて、非科学的にもほどがある。

 そんなものを信じるのは、よっぽど暇なやつか、何かにすがりたい人間だけに決まっている。

 占いを当てにするくらいなら、適当に鉛筆でも転がすか、コイントスでもしたほうがまだマシだ。


 だから、俺がその「くだらない占い」に振り回されるなんて、夢にも思っていなかった。

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