概要
往生の際で語らう、二人の死。
神が死に、世界は崩壊を始めていた。人間たちが苛烈していく争いに身を置く中で、不死である者たちは、その最後まで気ままな生活を送っている。
もう数日ともないだろう終焉へ思いを馳せながら、穏やかな日々を過ごしており、人里から離れた世界の端にある山で暮らしている竜も、その一人だった。
外界から隔絶された地で、平穏を貪る竜の楽しみは、星を見る事。あくる日、竜がいつものように山頂へと飛び立ち、星を見ようとしていると、流れ星が山の上を通っていった。久方ぶりの流星群に満足している中で、その内の一つに、竜は人陰を見る。
やがて山の中へと落ちてきたその人陰の正体は、一人の女であった。女は魔女を自称して竜へと気さくに話しかける。聞いたところ、魔女は人間との争いで深手を負っていたようで、自身の死期を悟ってい
もう数日ともないだろう終焉へ思いを馳せながら、穏やかな日々を過ごしており、人里から離れた世界の端にある山で暮らしている竜も、その一人だった。
外界から隔絶された地で、平穏を貪る竜の楽しみは、星を見る事。あくる日、竜がいつものように山頂へと飛び立ち、星を見ようとしていると、流れ星が山の上を通っていった。久方ぶりの流星群に満足している中で、その内の一つに、竜は人陰を見る。
やがて山の中へと落ちてきたその人陰の正体は、一人の女であった。女は魔女を自称して竜へと気さくに話しかける。聞いたところ、魔女は人間との争いで深手を負っていたようで、自身の死期を悟ってい
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