第28話

「はじめまして。湊崎政登と申します。ここの院長をしています。ちなみに専門は心臓外科です。よく聞かれるので先に答えますと、今年で55歳になります。」



ナースコールを聞いてやってきた湊埼のじじぃが結に自己紹介する。



「湊崎さん…。よろしく、おねがいします。」



湊崎は55歳にしては若々しいほうだ。



「傷の具合はどうだ?」



結の傷の具合を聞く。



「今一通り見たところでは順調ですね。一部分跡が残るかもしれない傷もありますが長い期間治療すれば目立たなくなるでしょう。左肩のほうも経過は順調なようですし、安静にしていれば問題ありませんよ。あとは栄養失調ですがこればっかりは、佐咲さんに頑張ってもらわなければ。いつまでも点滴というわけにはいきませんしね。」



(よかった…。)



「そうか、よかったな結。」



そういうと、


「栄養失調だったんだ…。」



と、結が言った。



「これから、たくさん食べような。」



これからたくさん食べればいい。無論俺が食べさせるがな。



「うん。」



結は微笑んでそう答えてくれた。

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