第27話

「はい、…じゃなくて、うん。そ、奏。」



慣れないのか所々つっかえながら結は俺の名前を呼んでくれた。



「いいな、名前で呼ばれるっていうのは。なぁ、結。」



結は、自分の名前が呼ばれたことに少し驚いて、優しい表情になった。



結は無意識だろうが、とても可愛い。並大抵の男なら理性が持たないだろう。



「忘れてたが、目が覚めたんだから医者を呼ばなきゃな。俺の主治医でここの院長でもあるじじぃだから心配するな。あ、じじぃっていっても腕は確かだ。」



そういうと、俺は結の枕元のナースコールを押した。

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