第18話

「するわけないだろ。俺はお前が好きなんだ。一緒にいて欲しいんだ。」



彼の目はまっすぐだった。まっすぐに伝えられた”好き”という言葉に思わず照れて顔を伏せてしまう。



「もし、もしも奏がいいなら私奏のところに行きたい。奏の傍にいていてみたい。」



「よし。決まりだな。」



私の言葉を聞いて奏が笑顔になった。優しくまぶしい笑顔だった。



「そういうことだ。じじぃ。」



「まだ、じじぃ呼ばわりはされたくありませんが。わかりました。」



その言葉で、その場にまだ先生がいるんだって気が付いて思いっきり恥ずかしくなった。



「では私はこれで。また夜に回診に参ります。」



「わかった。あ、外の奴らを呼んでくれ。」



「わかりました。それでは。」

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