第14話

「泣いてもいいが、俺の腕の中でだけな。約束だ。こんなに可愛い泣き顔をほかの奴らが見たら絶対お前に惚れるからな。」



そんなことないよ、って心では思いながら涙が止まらなかった。



そんな私を彼はずっと抱きしめていてくれた。



そのうち、私は泣き止んで、ふと我に返った。



「あっ、服が…。」



私の涙で彼のシャツが湿っていた。咄嗟に謝ろうとした時、



「謝るものじゃない。別にこれくらい気にしないし、結が俺の腕の中で泣いてくれるならな。」



まるで、私の考えていることが見えているようにそう言った彼の思わず驚いてしまった。



「それより、結、体は大丈夫か?」



「大丈夫、です…。あの、この服や、この部屋は…?」



「ここは湊埼総合病院っていう病院で、俺たち御堂組のお抱えの病院だ。お前昨日の晩に路地裏で撃たれたんだ。覚えてないか?」

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