第6話

少女はストレッチャーに乗せられ、処置室に運ばれていった。



「奏!」



振り返ると俺の親父とおふくろが入ってきたのが見えた。



「遂に見つかったのねっ、あなたの唯一。」



「あぁ。」



「よかったわ、本当によかった。」



「そうだな。おまえにも誰かを殺すだけじゃない。守る行為ができるわけだ。」



「そうだな。俺は俺の唯一を必ず守る。たとえどんなことがあってもな。」



「それでこそ、男だ。」



親父とおふくろが微笑んだ。

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