第38話
「龍成ってただのクズじゃなかったんだ」
「失礼だな」
「いや、実は誠実みたいなふりをして、面倒なことにならないようにしただけか」
「意外と賢いんだな」
「やっぱクズ!超絶クズ!」
「で、どっちにする?」
「ホテル!なんか家はヤダ!」
「でも行くんだな」
「クズでも好き!!」
「可愛いやつだな」
「ギャーっ!顔が!イケメンがすぎるーっ!!わたしのばかーっ!!」
──こういう軽い女はその場で遊ぶにはうってつけで、女もそんな相手を求めているのだろうと、都合良く思っていた。
出会う女はそういった系統ばかり。たまに堅苦しそうなタイプの女の時もあるけれど、話していくうちに楽しい時間だけでなく金銭まで、自ら差し出してくれるようになる。
お礼と言わんばかりに、その場でだけは、俺なりに尽くしていた。
親父とは違う。俺は、出会う女一人一人を幸せにしている。
その方法は間違っているとしても、たった一人の女を幸せに出来なかった親父とは、俺は、絶対に違う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます