第37話

「何して遊ぼうか」


「も~龍成、どうせ行く所は決まってるでしょ~?」


「サナの家かホテルの二択」


「即答だな!さすがクズ男!」


「俺はどっちでも…」





着信音が鳴り画面を確認すると、レミさんからだった。



あの後で電話?…と思いつつも出る俺。





『龍成くん!さっきはごめんね!』


「いや、大丈…」


『離婚して龍成くんと結婚するって言ったらあんなこと…』


「や、待て待て。結婚?誰が?」


『え?この間約束したよね?一生一緒にいようねって』


「…あー、言ったような言ってないような」


『だからわたし、離婚の準備を進めてたの』


「だからわたしって…。レミさんが離婚しようが何しようが、俺は結婚なんかしねぇよ」


『えっ!そんな!嫌だよ!指輪だって準備したし、わたしもう龍成くんがいないと生きていけないよ!』


「そもそもの話、知らなかったとはいえ俺とは不倫だったわけだろ?そんなことをするような女と結婚なんて、いくら何でもそこまで馬鹿じゃねぇよ」


『龍成くんとならしないよ!浮気なんてしない!信じて…』


「旦那とやり直せよ。何が不満か知らねぇけど、あんたの為に人を殺そうとするくらいなんだから、どう考えたって俺よりマシじゃね?」


『……』


「じゃあな」





電話を切り、顔を上げると、サナが目を丸くして俺を見ていた。


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