第4話
──俺にとってお母さんはお母さん以外の何者でもなくて、ほぼ家にいないお父さんこそ他人のような気がしていた。
もっともっと幼い頃は、遊んでくれていたような記憶もあるけど、誰よりも近くで、誰よりも俺のことを考えていてくれたのはお母さんだった。
一緒に過ごす時間は、確実に家政婦のおばさんの方が多かった。でもお母さんといる時が、俺は一番好きだった。
俺のお母さんは、今目の前で微笑み、手を繋いでくれる、この人だけだ。
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