第3話

そうか。



お母さんは俺の本当のお母さんじゃないんだ。




ふーん。





「龍成、おいで。一緒にバイオリンを弾きましょう」


「お母さん、おやつ食べたい」


「バイオリンのお稽古が終わったらね」


「え~やだ~!おやつ食べたい~!」


「龍成の好きなザッハトルテを用意してるから、頑張りましょう?」


「え!やった!お母さんありがとう!」


「可愛い笑顔。大好きよ、龍成」


「俺もー!」




優しいお母さん。



いつもいつも、俺には笑顔でいてくれる。



大体、本当のお母さんって何なんだよ。



お母さんはお母さんだろ?




本当だろうが嘘だろうが、そんなの俺にはどうでもいいとしか思えなかった。

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