第27話

気づくとわたしの背中は壁にぶつかっていた。



逃げ場を無くされたわたしは、どうしようもなく目の前にいる先輩と目を合わせる。



その距離の近さに、焦ると同時に胸が痛いくらいに高鳴る。 



世界が、先輩でいっぱいになる──。



「嫉妬されるのは面白いけど、同じことをすれば誰でもいいと思われてるのは気に入らない」


「ご、ごめんなさ…」


「どんなにばかくさくて滑稽でも、俺が姫だなんて呼ぶのはお前だけだ」


「せんぱ…」


「ずっと、会いたかった」


「──」



唇が重なり合い、二人の間の距離は消える。



さっきの軽いキスとは違い、しっかりと先輩を感じることができる。



それはちょっとした感動で、鳥肌が立つほどのもの。



込み上げる感情は先輩への愛しさを表していた。



「つーかお前、返信してほしいならそういう文を打てよ」

 

「…へ?なんですか、いきなり…」


「連絡がとれないって、お前はいつも返信の必要性がない文しか送ってこないだろ」


「返信の必要性がない文…」



──はっ!!



そういえばわたし、『今日はいい天気です』とか『お腹減りました』とか、報告的な文しか送ってないかも!!



そりゃ返信もくそもないわ!どこまでばかなのよ!

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