第26話

「でも、先輩があまりにもあの子に笑顔を向けるから…」


「去年のお前を思い出したからな」


「……え?」



去年の、わたし?



「名前まで微妙にお前に似てるもんだから、おかしくてしょうがなかった」



先輩の楽しそうな言い草に、わたしはパッと顔を上げた。



うわ、なんて可愛い笑顔…!!一瞬で胸を突き抜かれたわ!!



「じゃあ、さっきの先輩の笑顔は、あの子じゃなくわたしへ向けられたものだって思っていいですか?」


「どうぞ」


「で、では、あの子への対応は、わたしの時とのシチュエーションと似ていたからであって、わたしとの出逢いがなければスルーだったって思っていいですか?」


「ふっ。…どうぞ」


「…なんでそこ笑うんですか」



うざいって面倒くさがれるならまだしも、笑うところじゃなくないですか?



「用心深いなと思って」


「そりゃ用心深くもなりますよ!先輩はわたしだけの王子様でいてほしいんですから!」


「同感」


「え?」



同感、って…



「誰がお前以外の王子なんかになるかよ」


「──わ!」

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