第11話

「お前…」


「え?!遥ちゃんだけクラス離れちゃったの?!」


「……」



涼介先輩の少々大きめな声に、何か言い掛けていた先輩が反応して止まる。



「…せんぱ…」


「そうなんですよ!遥、他にこれといって仲良い子が一緒じゃないから、ほんと不憫!高谷くらいだよね?」


「え?ま、まぁ…」



二人でいちゃついてるかと思ったら、急に話をふられるもんだからいまいちついていけん。



「高谷くんって、あのかっこいい男子?」


「あいつは顔だけのチャラ男です!ていうか涼介先輩の方が断然かっこいいですから!」


「さっ、紗耶香ちゃん、そんなこと言われると照れるよ…」


「えへ」




……なんだい。



バカップルのやりとりをただ傍観している状況じゃないか。



まったく、どれだけ仲が良いんだ…か…



「川上。」


「はっ!はいっ!!」



ふと顔を上げると、先輩が不穏な空気を纏わせていた。



声音がすでに怖い!



な、なんで?!



「授業以外は三年A組に来い」


「え?どうしてですか?」


「法律」


「ほ、法律?!なんでですか!授業以外って、休み時間の度に来なくちゃいけないの?!」



いきなり何を言い出すんだこの俺様王子!いつもながら勝手だな!



「普段よりは理解力があるな」


「失礼な!それくらい、いくらわたしでもわかりますから!って、冗談じゃないですよ!」


「……」


「大体、ここに来るまでかなりの勇気がいるんですよ!?それを授業以外って、どう考えても無…」


「同じクラスに、好みの女がいる」


「─っ!」

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