第8話恋は晴天の霹靂 サクラ前線編7
振り返ると、ジャージ姿の行広がいた。
これから部活って感じの格好だ。
「おまえ、これから貴史に会うんだってな」
行広はいつになく真剣な表情だ。
「え… なんでそのこと知ってるの?」
意味不明の気合で、行広の言葉もきちんと聞けてる自分を意識した。
「晴美があちこちで言いふらしてるぜ」
行広はまだ真剣な表情のままだ。
「そっか、まあ、それぐらいは覚悟してますけど… ほんとに迷惑な奴だよね。
じゃあ、ちょっと決戦の地へ向かいますわ」
そう言って、昇降口から出ようとすると…
「待てよ、聞きたいことがあるんだけどさあ、優希って今まで誰かに告白されたことってある?」
「ないけど、何?知ってると思うけど、私もういかなくちゃいけないの」
なんだかよくわからないけど、こんなせっぱつまった状況で呼び止められてだんだん腹が立ってきた。
「俺たち幼馴染だろ。今までいろんなこと話してきてさ、
バカみたいな話だけど、ずっと優希のことが好きだったんだ。俺。
初めて会ったときから。
幼稚園に入るときにさ、優希のお母さんと俺の母さんが話してたじゃん。
あのとき… 初めて会ったときから… ずっと好きだった。優希のこと。
俺も晴美にはいろいろと迷惑かけられたけど、今日は感謝したよ。
優希には悪いけど…
世界で一番初めにお前に告白したのは俺だぜ。
それは誰にもゆずりたくなかったんだ。
じゃあな。」
そう言うと行広は部室のほうへ走っていってしまった。
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