第91話
最近は、幸坂先生にはあまり近づかないようにしている。
それでもいつだって無意識に先生の姿を探しているし、見つけたら目で追ってしまうのも変わらないけれど。
物理的に距離を取ることで、私の心も少しでも違う方を向けたら良いのに、なんてそんなことを思っていた。
「ただいまー。」
家に帰ると、シチューの良い匂いがした。
今日の夕飯は、ママ特製のホワイトシチューみたいだ。
だんだんと肌寒くなってきたこの季節にぴったりのメニューで、ふふっと一人玄関で笑ってしまった。
「おかえり、すみれ。着替えたらちょっとキッチン手伝ってー。ママ1人だと失敗しちゃいそう。」
今日もほっと力が抜けるようなママの声に、はーいと返事をしながら二階の自分の部屋へ行くために階段を上がる。
もう何回も作ってるメニューなのに何を失敗するの!?と思いながらも、私はいつもより急いで着替えを済ませた。
大きなバケットにパン包丁を入れているママに代わって、クリームシチューをコトコト煮込んでいく。
これもママの好みで、我が家ではおかずがシチューの日の主食は白米ではなく、堅めのフランスパンだ。
友達の家ではシチューの日もハンバーグの日も白いご飯を食べると聞いた時はなかなか驚いた。
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