第90話

「柿原が、最近すみれちゃん元気なくない?って心配してたわよ。」


「ええ、本当に?かっきーにそんなこと言われるとは、私もなかなか疲れてるね。勉強のしすぎかなあ?」


冗談っぽくそう笑った私を、奈々ちゃんはちらりと横目で見てから肩をすくめた。


「勉強を頑張るのもいいけど。何か悩んでるなら相談してほしいなって私も思うわよ。」


「ツンデレな奈々ちゃんがそんなこと言ってくれるなんて感激だよ~。ウルっときそう。」



本当に目頭が熱くなりそうになったのを慌てて誤魔化すように、奈々ちゃんにぎゅっと抱き着く。


いつもは無駄にくっつくと鬱陶しそうな顔をされるけれど、今日は何も言わずに奈々ちゃんの細い腕が私の肩をぽんぽん、と叩いたから、ああ本当に心配してくれてるんだなって分かってしまった。



「ありがとね。」


こうやって、大好きな友達を心配させてしまうなんて良くないなあと自分自身に呆れてしまいそうだ。

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