第73話
それに、私は教室の床に散らばったスパンコールの下に、今日階段で目にした、私よりも明るい茶色の髪の毛が落ちているのを見つけてしまった。
あの2年生の女の子が、誰もいない隙にこの教室に入ってきて暗幕を破いていった姿を想像して、そんな風に人を疑ってしまった自分の考えを振り切るように首を振る。
かっきーがこれを見たら、こっちが申し訳なくなるくらい悲しそうな顔をして謝るんだろうな。
私は彼にそんなことをして欲しいわけではないし、別に犯人を突き止めることは重要ではない。
明日の朝、何もなかったみたいにみんなが笑ってくれることが一番大事だ。
1人、教室の隅からイスと机を引っ張り出して作業を始める。
破かれてしまったこの布の姿にどうか誰も気付かないように、スパンコールのキラキラが輝きを失わないように、一針ずつ丁寧に縫っていく。
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