第70話

明日に備えてこのまままっすぐ帰ったり、この後も塾へ行って勉強したり、仲良しグループで夜ご飯を食べに行ったりと、みんなのこの後の過ごし方は様々なようだ。


奈々ちゃんと潤君とかっきーと私。

当然のように今日も4人で帰ることになったのだけど、じゃんけんで負けた私はゴミ捨て係を任されてしまった。



3人は「手伝おうか?」と申し出てくれたけれど、それではじゃんけんをした意味がないと慌てて「大丈夫だから!」と教室を追い出した。


下で待ってるね、と言っていたから、まだ作業をしている人たちの邪魔にならないように下駄箱のあたりにいるのだろう。


教室の後ろのドア近くに設置された大きなゴミ箱からビニール袋を取り出して、まとめていく。


いつもはそんなに大変な仕事ではないのだけど、こういうイベントの日はもれなくゴミ袋がパンパンになっている。


三つの袋を全て4階の教室から1階のゴミ捨て場まで運ぶのはなかなかの重労働で、思ったより時間がかかってしまった。


急がなきゃ、と軽く階段を駆け上がって戻った教室には、もう誰もいなくなっていた。


みんなそれぞれの仕事を終えて撤収していったみたいだ。

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