第65話
私が絶対来るって分かってるみたいに、余裕そうに上げられた口角にちょっと悔しくなったりもしたけれど、それ以上にその微笑みにときめいてしまって、我ながら単純だなあ、と思いながらまだ先生に向かって話し続けている女子生徒たちの方へ足を動かした。
そう、そちらへ向かったのだけど、私が適当な理由をつけて幸坂先生に声をかける前に、ポケットに入れたままだったその腕を違う人が横から奪っていった。
「幸坂先生、こんなところにいたんですか。もう職員室に他の先生方集まってますよ。」
「本橋先生…。」
幸坂先生は驚いたように横を見てその人の姿を確認すると、次の瞬間にはもう余裕を取り戻していた。
「すみません、もうそんな時間でしたか。」
そして、これ幸いとばかりに幸坂先生に絡んでいた女子生徒二人に何か声をかけて、本橋先生に腕を引かれながらその場を後にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます