第17話
「ええ、かっきーは和食派って前言ってたよね。私と食の好み合わなかったりする?」
「なんでそうなるの?俺いつも普通にオムライス食べてんじゃん。ただすみれちゃんに似合うってだけ。ねえ、奈々ちゃん?」
かっきーはすみれちゃん、奈々ちゃん、と基本的に女の子のことをちゃん付けで呼ぶ。
最初はそれが珍しいなと思ったりもしたけれど、男の子にしては小柄で細身な体格ときゅるんと大きな目が相まって、かっきーが呼ぶそれは全然不自然ではないのだ。
「うん、ちょっと分かるよ。すみれ色素薄い系女子だから。」
「色素薄い?肌とか白いからってこと?」
「そう。髪も茶色だし、目なんかミルクティー色に見える。あんた顔は可愛いんだから、もうちょっとそのお花畑な脳内も引き締めればいいのにねえ。」
奈々ちゃんが卵焼きを箸で掴んだまま憐れむような視線をこちらに投げてきたけれど、きりりと整えられた眉の下の目力と、背中までの艶やかな黒髪が美しくて、私は彼女の方がよっぽど綺麗だと思った。
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