第16話
「かっきーも飲んでみれば良さが分かるよ。私は買ってあげないけど。」
「俺は甘いの苦手だからいーや。」
彼がよくワイシャツの上に着ている深い緑色のパーカーがお洒落で、あれどこで買ったんだろうな、と私はひそかに気になっている。
よくある量販店のものではなさそうだ。
その深い緑色を横目に私も自分の席に着いて、奈々ちゃんが半分残しておいてくれたスペースに自分のお弁当をカバンから取り出した。
「今日はサンドイッチ?すみれの家って洋風なお弁当の日が多いよね。美味しそう。」
「そうかも、ママが好きなの。もちろん和食も中華も食べるけどね。」
海外暮らしが長かったママは洋風の味付けの方がしっくりくるみたいだ。
私も小さい頃からそれに慣れているからか、自分で料理を作るときも洋食のレパートリーが多い。
「たしかにすみれちゃんは炊き込みご飯よりオムライスって感じだよね。」
かっきーが二つ目のお握りの透明なフィルム包装を剥がしながら言う。
今度のは私のイチオシである鮭お握りみたいだ。
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