第18話
「辛口!奈々ちゃんが厳しいよお。でもそんな厳しい奈々ちゃんも綺麗。素敵。」
「ほら、またお花畑出てるよ。すみれちゃん。」
「ふはっ、それが篠宮さんの良いところでもある。」
それまでかっきーの後ろの席で、大きなお弁当箱に盛りつけられたそぼろ丼を黙々と食べながら私たち三人の会話に耳を傾けていた潤君が、そこで少し笑った。
「私に優しくしてくれるのはもう潤君だけかも。篠宮家のお兄ちゃんになる気はない?」
「やめて、すみれちゃん。潤が可哀想。」
私は潤君に提案したのに、かっきーに秒速で却下されてちょっと悲しくなった。
かっきーみたいなお兄ちゃんはこっちだってお断りだ。
でもママのたまごサンドは今日も特製マヨネーズが美味しくて、それだけでまた微笑んでしまったことに彼も気付いていたと思う。
単純だなあって顔で、きゅるんと大きな目を楽しそうに細めてくれた。
私は今度このマヨネーズのレシピを聞こうと心に決めた。
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