第12話
「え?なんでですか?」
「昼に買いすぎちゃって余ったから。昼休みに課題を頑張った君に、ご褒美。他のやつには内緒だよ?」
そう言って軽く首を傾げた甘やかな笑顔が、悔しいけれど見惚れてしまうほどかっこよかった。
幸坂先生は手早く進路指導室の鍵を閉めると、「俺の授業も真面目に受けろよー」と言って中央階段の方へ向かって歩いて行ってしまった。
その後ろ姿はモデルのようにスタイルが良くてやっぱり教師らしくないと思ったし、先生が歩くこの廊下は学校じゃないみたいだと思った。
本当に食べきれなかったパンをくれただけなんだろうけれど、なんだかこれって特別みたいじゃない?と少し浮かれてしまったのは、先生がかっこよすぎるせいだ。
同級生にだってイケメンはいるけれど、彼らとは一味違う大人の魅力にキュンを感じてしまったのは不可抗力だと思いたい。
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