第3話
退屈な世界史の授業をどうにか50分間乗り越えて、ようやく私たちを解放するチャイムの音が聞こえた。
6限目が世界史だったので、もうこれで今日の授業は終わりだ。
我先にと帰り支度をする人もいれば、今日までだった数学の課題の答えを慌てて写している人もいる。
高2からそのままのメンバーで持ち上がったクラスなので、この光景ももう見慣れたものだ。
「すみれ、今日部活のミーティングがちょっとだけあるから待っててくれない?すぐ終わるから下駄箱で!」
「待って待って、ちょっとってどれくらい!?」
「分かんない!」
奈々ちゃんは私の質問に少々雑な返答だけすると、ダッシュで武道場の方へと向かって行った。
試合の翌日なんかには大きな竹刀を背負って教室に現れる奈々ちゃんは、剣道部の頼れる副部長だ。
「まあいっか。」
細かいことをあんまり気にしないのは多分私の良いところだと思う。そう思うようにしている。
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