第8話

クリスマスが近づき、ますます寒さが厳しくなっていった。

毎朝彼の姿を確認するのは変わらなくて、あれからは傷が治りかけた頃また新たな傷が増えたりと彼のキレイな顔から傷が全くない事はなくなった。





「へぇ、で?」



「で、って?」



「なんで凛はそんな事気にしてんの?」



「なんでって…ただキレイな顔がもったいないなって、」



「そんな名前も知らない人のことより、自分の彼氏の事を考えなさいよ」



「わかってるよ」



「わかってたらアレ・・、どうにかしないの?




葉月が言う"アレ"とは青山くんといる隣のクラスの鈴木さんの事だ。

青山くんが最近始めたバイト先は鈴木さんもバイトをしていたところだったらしい。

今まで話をしたことがなかった二人だが、同じ学校だということを知り仲良くなって学校でも話すようになった。ということみたいだ。





「ねえ、鈴木さんって青山くんと凛が付き合ってるの知ってんの?」



「どうなんだろう。聞いたことないもん」



「聞いた方がいいわよ。もし知らないとしたらマズいでしょ?」



「そうだよね」




誰が見ても、鈴木さんが青山くんに向けられてるのが好意だということはわかる。

ライクじゃなく、ラブの方のだということは言うまでもなく鈴木さんの表情はそれを隠していない。




だからといって、私にはその場に割って入り青山くんの隣に居座るなんて出来ない。

それどころか、付き合っていることを知っているクラスメイトの前で青山くんと二人でいることを恥ずかしく思ってしまうのだ。

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