何をしててもかわいい
2025年4月5日
昔働いていた会社で、自分より一回りほど上だったろうか?それなりに肩書きのある人で期間限定で中国に駐在されていた日本人男性がいて、そこまで仲が良かったわけではないですが、仕事の仕方や話の仕方から見て私にとっていい人でした。いい人というか、合うというか、私自体もある程度彼から認められていたと思う。
その方の奥様もまた、日本本社の系列の工場に勤務されている方。製造業でいうところの、マザー工場というやつです。とある日に駐在中のご主人を訪ねてはるばる中国までやってきた。ご主人はそこまで話すタイプでもないですが、奥様は明るくて気さくな方だった。
当時、中学生か高校生の息子さんの話を奥様がしてらして、ちょうど男の子の反抗期の時期だったのかな?母親と口をきこうとしないのですって、ただそれでも、
「何をしててもかわいい」
怒って口をきいてくれないその背中を見ているだけでも、かわいい。どんなに酷い態度を取られても可愛くて仕方ない。素敵な笑顔でそう言っていた。
奥様はまた日本へ帰り、ご家族を日本に置いたままご主人は中国で働いていました。そのうち、人づてに聞いた。あの何をしててもかわいい息子さんが、不登校になってしまったというのです。
仕事の合間に頻繁に日本に帰るご主人の様子と、あの、何をしててもかわいい といい笑顔で言っていた奥様の顔を思い出しながら、胸が痛みました。
ご主人はきっと、子供が難しい大事な時期に仕事のせいで家族から離れてしまったのに責任を感じただろうし、奥様も辛いでしょう。そして、何より、愛情深い両親に育てられながらも学校に行けなくなってしまったお子さんが辛いだろうなぁ。
甥っ子も不登校になってしまってもう長い。最近は学校に行けなくなってしまう子供たちが多くいますね。これは、他の国も同じなんでしょうか。
DeepSeekで調べてみた。日本とイギリスとアメリカは多いようだ。ただし、数値は日本以外では出てこなかった。
もし、自分の子供が突然学校へ行かなくなってしまったら、まず間違いなく母親は自分の育て方が悪かったと自分を責めてしまうと思う。そして、それをみている周りの母親は、自分の子供じゃなくて良かったと思う。
自分の子供じゃなくて良かったと思っても、もちろんそんなことは口には出さないだろうが、ほとんどの母親が腹の底ではそう思うだろう。自分も一児の母だからわかる。
母親という人種は、自分の子供に何か問題が発生するのをとにかく毎日毎日恐れながら生きている人たちなんだよ。それで、他人の子供に何か起きると、
ああ、うちは大丈夫だった
と人の不幸でホッとして、尚且つ、自分を褒めてしまう。
こんな時にしか承認欲求が反応しない、極端にいうとそういう人種なんです。
そのくせ、表面的には、
「大丈夫?」
なんて声をかけるので、かけられた方はますます落ち込むという。
もちろん、こんな状態では全然良くない。それはわかっていてこんなことを書いているのですが。
自分自身が不登校とか引きこもりに割と近い部分で長期間低空飛行していたことがあるので、それを頼りに 子供が突然 不登校になってしまったら 親はどうあるべきかについて 考えてみました。
まずはやはり カウンセラーとか 専門家に頼るのがいいと思いますが、専門家ではない素人として、何か考えは出てこないだろうか。
そうだなぁ……
私は生育環境をいくつかに分けてみますが、
例えば、親が無関心でほったらかし
或いは、暴力がある、お金がないとか
または、親が過干渉である
世間的にみて何ら問題がなさそうなのに の場合は 三番目ではないか。
だから、今までやってきた方法を親も見直して新しい方法をとったほうがいい。
つまりは、子供との距離感ではないだろうか、ということだ。
近いからいいというわけでもないのだ。ここが盲点である。
もう一つ、
子供の心の問題を親が解決することはできない
親ができることは、子供が解決しようとすることを サポートすることである
つまりは、黒子の脇役にならなければならない
人生は舞台である。主役は親ではなくて子供なのだ。
お母さん、そこちゃんと、脇に寄って観客から見えないようにしてくださいってことだ。子供が可愛くって心配で、ハラハラと舞台の真ん中に出ていってしまう、お母さんたちが大好きだ。そういう場面もそういう人たちも。でもね、子供が苦しむほどになってしまったら、歯を食いしばって、裾に隠れましょうよ。
子供が1人で乗り越えられる場面で、ついその手柄を横から奪ってきていたかもしれません。その連続の中で、出られない深い森に子供が迷い込んでしまった時、
親にできるのは 泣きながら 子供が自分の力で森の外に出てくるのを信じて待つことなのかもしれません。その辛さはわかるのだけど、
ただね、もいっこ言うと、泣いてはならない。
なぜならば、母親がなくと 子供というのはダメージを食らって、LPを削ってしまうからだよ。逆を言うと、母親が心から信じてあげれば、子供の背中には翼が生えて、空を飛ぶのだよ。
だから、心の中でどんだけ心配で辛くっても母親は子供の生きる力を信じて、はったりで笑わなければならない。
私は、お母さんという人種のパワーを信じています。全ての子がお母さんのお腹の中から生まれてくる。人に命を与える人たちなのだから。方法論さえ間違えなければ、必ず子供に力を与えられるのは母親であるはずです。
子供というのはこの世に生まれた瞬間から、母親の顔色を窺って生きている。
だから、森に迷い込んで自分の力を信じることができなくなってしまった子供に対して、母親ができることは完璧なはったりなのです。
あなたは大丈夫
言葉だけじゃなくて、表情と声音、全てで信じさせる。
そして、自分は自分がメンヘラで、それを長い時間かけて立ち直らせてきた経験を持っているのでこういうのですが、人間というのは自分で思っているよりもっと強いものです。
私が何度も強くなりかけては落ち込んでしまうという時に共通していたのは、母にかけられた言葉や態度だったように思います。自分に自信がないから、お母さんに褒められたくて、でもその度に欲しい言葉や態度とは別のものを受け取っていたように思う。そのせいで長い時間、ずっと低空飛行を続けてきたように思う。
ただ一言言えば、私の母はね、私を愛しているんですよ。
愛しているからそれだけで、全てが解決するわけじゃない。
自分を立て直すために、膨大な時間をかけて自分の心を整理するための文章を書いてきました。不登校になってしまった子も、自分で自分の心がどうなっているのかがわからなくなってしまって、混乱していると思う。だからやはり文章を書くことはおすすめです。本を読むことと文章を書くことは心を整理するために役にたつ。その文章は誰に見せなくてもいい。
変な話、お子さんが不登校になってしまった場合、お母さんというのもお子さんとつながっているわけだから、お母さん自身も心を整理するために文章を書いてもいいかもしれない。
その時気をつけなければならないのは、母親が整理しなければならないのは、母親であるあなた自身の心であって、子供の心ではないということです。
境界線をきちんと持ってください。あなたは子供の人生の黒子だという自覚が必要なんです。子供の問題は子供にしか解決できない。あなたが解決しなければならないのは、母親であるあなた自身の問題なのです。
過干渉のために問題が出てしまった親子の問題は
さらに近寄ることでは解決せず、むしろ
少し遠ざかることで解決するのではないかと思う。
覗かなければならないのはいつも、子供という他人の心ではなく、
自分の心なのです。
2025.04.05
こちらの日記は、PV数を多く稼ぎたいと思っている文章ではありませんでした。
読む人が少ないがために自由に書けることに重きを置いております。
あしからず
野中木葉
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