無限の情報

「よしッ!次はあそこの山脈を抜けるぞ!」


 満達が目指しているジンクスの故郷ノベタン国はこの山脈を抜けその先にある山岳地帯の先にノベタン国はある。

 つまり、馬車だと1週間ぐらいはかかりそうな距離なのである。

 そんな馬車に乗って暇そうにしている満にリュファスが問いかけてきた


「ご主人、最近森の噂で聞いたのじゃがこの世界はループしているそうじゃ」


「ループ?」


「そうじゃ、ループじゃ」


「ループってあの…繰り返しみたいな感じの?」


「そうじゃ、この世界はループをしており現在は新世界という名であり、ループ前は旧世界じゃそうだ」


「またまた〜〜」


「旧世界はループの最中に特異点が発生しその特異点から世界が崩れ、新しく作り直されたのじゃ。そして今神達はそういう特異点が発生しても世界が完全崩壊しないために世界全体のスケールをレベルアップさせたそうじゃ。」


「なる……ほどね…?」


 そう話していると満の隣にいたジンクスも世界ループ説を聞いたことがあるのか急に喋り始めた。


「それ聞いたことある!補足で私が聞いた話では、世界は領域で囲まれその各領域事に独自の法則ルールが独立しているみたい」


「ふーん。それ結構気になるな」


 そう言うとアシストモードが急に起動し、説明を始めた。


《この世界について解説していきます。

 この世界は大きく分けて3つの構造又は領域に分割されています。

 1つ目は最小領域というものです。

 この領域内には数学的に言う負の数や0次元の素粒子が存在します。

 この素粒子の中でこの世界の魔力という力を形作っている唯一無二の素粒子であるマジック素粒子はそれぞれに可能な可能性世界と不可能な可能性世界、可能な物理至上主義世界、不可能な物理至上主義世界、可能な数学至上主義世界、不可能な数学至上主義世界、そして世界内に存在する全てのコードを改変させる原動力─この原動力はマジック素粒子の力によって変わるが、平均的なマジック素粒子は自然数と一対一に対応できる集合(ℵ₀)と同程度の原動力(機能性)ある。ただこれは平均的であり無限に存在するマジック素粒子の中には個性としてℵ₁やℵ₂などのℵ_αのαが後続順序数の後続基数の原動力を保有するマジック素粒子が大量に存在する─によってコードを圧壊させ、そのコード内にウイルスのようなマジック素粒子により構成されている魔力を注入してファイアボールなどを構成しています。そして、………………


「うわぁッ!黙れ!聞く気なくすわボケェ」


「どうしたんですか?」


 満は小声で「あぁ…そうだったこれ脳内に直接だからコイツラには聞こえないんだ…」と言い「ううん。何でもないよ」と言った。

 そして、そんなこんなしてる間に山脈の中で夜になったので、テントを広げて眠ることにした。


◇◆◇◆◇◆◇◆


 朝起きて異世界初めての外での料理を始めた。

 満はワクワクしながら外での料理で豪華なものを作ろうかなと思ったのだが、サラダぐらいしか作れなかった。


「クソぉ…スキル使いたいけど、料理にわざわざ買うのも難儀だしなぁ」


 作ったサラダを食べ終わった満達は馬車に乗り込んだ。


「いや〜今日は外が涼しいなぁ」


 そう思いながら、外を眺めていると異世界ではこれが流行ってるのか知らないけれど、山賊(盗賊)に出会った。

 すると、御者が声を荒げて「逃げてください!お客さん!私はお客を守る!!!」と言った。

 なんて、客思いの御者なんだと思いながら馬車の窓から顔を出して、山賊に唾を思い切り吹きかけて一瞬で倒した。


「あ…?え…?」


 御者は困惑している状態で、馬車を進ませた。


◇◆◇◆◇◆◇◆


 山脈を1週間ほど移動し続けて、抜け満達が抜けた山脈よりも険しい標高3000m級の山々が連なる山岳地帯が目の前にあった。

 その山岳地帯の少し手前に国とは言えない小さな町があったので、そこに行き馬車から降りた。

 馬車から降りた理由は、流石にあの山岳地帯を馬車で抜けることは不可能だからだそうだ。


「このちっこい町は意外と繁盛してんなぁ」


「ご主人、この小さい町はアルーナドと言いこの目の前の山岳地帯の登山ツアーなどをやって儲けているので、意外と繁盛しております」


「なるほどねぇ」


 満はその小さい町で美味しいご飯を食べて、山岳地帯へと向かった。

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