バルタナ国でのトレーニング

「さてと、朝になったことだしトレーニングに行くか」


 そう言い満は朝の身支度を済ませた後に自分の部屋の扉を開け、ジンクスの部屋に向かった。


「おーい、起きてるかぁ?」


 そうジンクスの部屋のドアをノックしながら大声で言った。

 そうすると今ジンクスが起きたようで、部屋の中からドタバタと音が聞こえその2分後にドアを開けた。


「す、すみません!寝てました!」


「別にいんだよ。それでトレーニングに行くか」


「はいッ!」


 そう会話をした後にバルタナ王国から出て、そこら辺を散歩した後に本格的なトレーニングがスタートした。


「よし…じゃあジンクス!お前一人でもう一回ゴブリンの巣を潰してこい!」


「はいッ!」


 そう言いジンクスは蝿族という名前に相応しい速度でゴブリンの巣を駆け回っていった。

 ジンクスは駆け回ることによってゴブリンを翻弄し隙を突いて一発で仕留めるという戦術をうまく使いまた、ゴブリンの巣を一瞬で全滅させた。


「やっぱし、すごいなぁ〜……」


 その時満はこう思った。

 -これ、俺のSP使ってジンクスにスキルってプレゼントできるのかな?-と。

 その思いに応えるようにアシストモードがすぐ起動した。


《はい。奴隷という関係ならスキル強化や購入したスキルのプレゼントなどが可能です》


「なぬ!それならば取り合えす強化させてあげるか!」


 そう満が言っていると後ろから後始末を終えたジンクスが帰ってきた。

 満はそのジンクスに急にグッドサインをして、笑顔で「強くなれるぞ」と言った瞬間に、ジンクスの俊敏の極みのレベルをマックスにした。


「!?!?!?」


 ジンクスはスキルのレベルがマックスになったことによって自身の素早さのステータスが急に上昇したことに驚いた


「ジンクス…今の自分のステータス見てみな?」


「はい…わかりました」


 そうジンクスが言い終わった後に、ジンクスはステータスオープンと呟き、出てきたステータスが書いてある青いスクリーンを覗き見した。


```

名前:ジンクス

出身地:蝿国ノベタン

種族:蝿族


レベル:27

攻撃力:117

防御力:112

素早さ:1,000,000,268(+1,000,000,000)

魔力:105


【スキル】

SP:14

・俊敏の極み(覇):MAXランク


【称号】

なし

```


「よし結構強くなっているな」


 そうジンクスに言った満にジンクスは驚愕した表情で質問を言ってきた


「これ……どうやったんですか?素早さのステータスだけで見ると、この世界で最も恐ろしいと言われる魔王を大幅に超えていますよ…?」


「しかもMAXランクのスキルだなんて、賢者も勇者も魔王もドラゴンも剣皇も誰もが成し得なかったランクですよ……?」


「……ほんとはレベル200ではありませんよね?もっと強い遥か高みにいますよね?」


 そうジンクスに問われた満はジンクスに「知らないほうがいいこともあるんだよ……」と怪しげに言った。

 するとジンクスがそれに動じないで「ホントのステータスを見せてくださいッッッ!!!」と言った。


「仕方ないなぁ……ジンクス…他の人に絶対に教えるなよ?」


「はい…!」


「ステータスオープン」


 そう言いステータス画面が現れた。


```

名前:清水満

出身地:日本

種族:異界人エイリアン


レベル:5.46E+15

攻撃力:3.61E+32(*419,430,400)

防御力:2.68E+32(*419,430,400)

素早さ:9.86E+31(*419,430,400)

魔力:7.88E+31(*419,430,400)


【スキル】

SP:8E+25

・経験値獲得効率アップ(神):MAXランク

・ステータス上昇効率アッ(神):MAXランク

・絶・無限挑戦の矛:MAXランク

・偉大なる回復の力:MAXランク

・スキルの神生成:MAXランク

・神話的貪欲の吸収:MAXランク

・神・暴食的撃破:MAXランク

・万物変換:MAXランク

・神・究極技術:MAXランク

・■■■:Cランク

・究極的成長加速(覇絶):MAXランク


【称号】

・ラビットスレイヤー

・究極超越的難易度の覇者

・ドラゴンスレイヤー

・キングスレイヤー

```


 このステータスを見た瞬間ジンクスは驚きすぎたのか、真顔になった


「…これガチですか?」


「まじまじのステータス」


「まぁそう思うのも無理ないよ。あんたの説明聞いたらMAXに到達するのですら難しいのに、MAXランクのスキル複数個持ってるんだもんな…」


 そう言った満は無言で虚無になっているジンクスを引っ張って次のトレーングのの場所に連れて行った。



 次のトレーニング場所はジンクスのスキルランクがMAXになり、その強さのテストも兼ねて初の水上戦、つまり海へと向かった。


「さすが漁港が人気なだけあって、海もきれいでたくさん魚がいるなぁ」


「そうですねぇ」


 そう呑気に話をしながら海の浜辺へと近づき、ジンクスに「ここら一帯の魚をお金稼ぎも兼ねて1種類に絞ってぶっ倒せ!」という命令を出した。

 ジンクスはそれに応えるやいなや一涅槃寂静(0.000000000000000000000001)でその任務を完遂した。

 任務を完遂したジンクスの周辺には山のように積み重なったマグロのような魚があった。

 その魚を魔道具の袋の中に詰め込み、最後の任務として、ジンクスに「この広大の海の中に多分主という存在がいるから狩ってこい!」という命令を出した。


 その命令をジンクスが認識した瞬間にあちらそちらで戦闘音が聞こえ、その3秒後に遥か上空から主らしき魚の首と胴体が落ちてきた。


「少し苦戦しましたが、余裕でした」


 そう言いながら主の返り血で血まみれのジンクスが出てきた。

 そして、ここで満は自分の異常さに気づく。


「あれ、10億でこれなら、俺のステータスやばくね?どんどん成長していこうと思ってたけど、これ以上成長できねぇじゃん」


 そう呟き、最後の自身を成長させる要素である自動レベリング機能の結果を見るために、結果を表示した

 これに少し気になっているのか、ジンクスが覗き込んできたのを無視して確認すると、アシストモードが起動し、結果を発表していった。


《自動レベリング機能の結果を表示します。結果としては9.86E+36のレベルアップをしました。

 それに付随して自動スキル収集の結果も表示します。結果としては5.53E+18個のスキルを回収しました。》


《自動スキル進化又は融合の効果により5.53E+18個のスキルが融合し、2.56E+13個のスキルになり、それら全てが8E+25SPを全て使用して進化しました》


「え?ちょいちょい何勝手にSP使用してんねん。いや、待てよ…これSPに変換したらすごいことになるんじゃね?」


 そう思った満は2.56E+13個のスキル全てをSPに変換した。

 すると9.65E+33SP貰えたので最終的にプラスになったので、そこで安心した。

 そして、追加でスキル[■■■]の効果により最終的に9.56E+37SPとなった。


 その後漁港に主の体と大量のマグロっぽい魚を売って軽く白金貨50枚(5億円)を稼ぎ、トレーニングは終了した。


◇◆◇◆◇◆◇◆


 次の日になり、早速ジンクスのステータスを確認することにした。

 すると先日のトレーニングの効果もあってかレベルが27から62にアップしていたのだ。

 そして、満はトレーニングの成果を実感しつつ、ジンクスの足りない部分を補強したかったので、満はジンクス本人に聞くことにした


「ジンクス!お前は自分に足りてないなぁって思うところはあるか???」


「はいッ!圧倒的にスキルが足りないところです!スキルが足りないということは戦闘での手数が減ることにも直結するので、スキルを増やしたいです!」


「じゃあ何系のスキルを増やしたいんだ?」


「やっぱりステータス強化系と技術系又はアイテム系のスキルが欲しいですねッ!」


 そう聞いた満は、とりあえずステータス強化系のAランクスキルを3つほど購入し、ジンクスにプレゼントした。


「今お前にスキル[極熱戦闘状態]とスキル[超人身体状態]とスキル[ステータス超上昇]をプレゼントしたから、強くなったはず……」


「満さんッなんか体に力が湧いてきました!」


 満はスキルの効果に感心しながら、次はジンクスにスキルのランクを上げてもらおうかなと考えていた。


「ジンクス!この3つのスキルと今からあげる技術系のスキル[超空機動戦闘術]のランクは自分で上げてくれ」


「分かりましたッッッ!」


 そういう会話を交わしたあとにすべてのスキルのランクがDランクに到達するまで、1日中戦闘をさせ、夜寝て馬車に乗り次の国へと向かうことにした。

 ジンクスの蝿国ノベタンはエルフの地域を抜け山岳地帯を抜けたところにあるため、エルフの地域の手前にあるエルワード国へと向かった。

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