ノベタン国への旅
奴隷購入
満はバルタナ王国の門をくぐる前にアシストモードの自動ハンティング等の許可を無くして、門をくぐった。
門をくぐった先では、大きな漁港と綺麗な海が広がっており、感動さえ覚えた。
「すげぇなァ」
そう思いながら数少ない荷物を馬車から下ろし、魔道具にしまった。
「あれ?これ最初から魔道具にしまえばよかったくね?」
そう思いながらも拠点となる宿屋を探しながらこのバルタナ王国一番の目玉である漁港を観光しにいった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
漁港には大きな船が止まっており、浜辺には色々な店があった。
その中で一番目にとまった店は奴隷を売っている店である。
「これは俺も本格的な異世界デビューなのでは!?」
そう思い奴隷店へ入った。
「いらっしゃいませ〜」
そう店主らしき人物が言った。
そして、初めて見る奴隷店は思ったより、明るく奴隷も檻の中に入ってるのかなって思ったら、意外ときちんと管理されていることに驚いた。
そして何より、ムフフなねぇちゃんとかいるのかなって思ったら、ムキムキな男、男、男!男しかいないのだ!
「あの…女性の奴隷は…」
そう満が言うと店主は毎回この質問が来るかのように手慣れた感じで質問に答えた。
「お客様、残念ながらここは漁港なので買いに来る人は力仕事ができる男性の奴隷しか買わないんですよ〜だから女性の奴隷をお求めなら、ここから少し離れた王都に行くしかありませんねぇ」
満はその話を聞いて「なるほど」と思いながら、内心はめちゃくちゃショックを受けた。
「せっかく来たし記念に一人買うかぁ」
「ありがとうございます!」
そう店主が元気に言い、満は気になった奴隷を買うことにした。
奴隷には様々な種族がおり、人間やTHE・異世界のエルフ、ドワーフ、獣人などもいた。
そしてモンスター系統もおり、ゴブリン(激安)やオーク、ケンタウロスなどもいた。
その中で一番気になったのがエルフでもドワーフでもケンタウロスでもなく蝿族という人形の蝿のモンスターである。
「こいつ、速そうだしレベルアップしたら強そうじゃね?」
「店主!こいつってコミュニケーション取れる?」
「お客様、一応彼はモンスターの中では頭脳は高い方なのでコミュニケーションは取れますが、始めて見ましたよ…蝿族とコミュニケーションを取れるかどうか確認を求める人」
そう驚いた表情で言った店長を置いて、目の前の蝿族に話しかけた─この蝿族の見た目としては子供なのか幼く、生気を失ってる目している見た目だ─
「君…今どう?」
「なんだよ…」
「おっ!ちゃんと喋れてる」
「どうせ買わないんだろ?」
「店長!こいつ買うことにしたわ!」
「「!?!?!?!?!?」」
店長と蝿族が驚いた顔でこちらを見てくる
「で、では購入の手続きを行います」
そう言って店長のところに行き蝿族を買うために銀貨89枚払い─あまり買われていなかったのでここまで値下げされたんだろうと推測─奴隷の契約を結ぶために蝿族の血と俺の血をかき混ぜた汁を蝿族に飲んでもらった。
これで契約が完了し無事初奴隷デビューをしたのだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆
満は店から出て満が買い取った蝿族の少年の名前決めることにした
「君の名前なにがいい?」
「何でも…いいよ…」
そう弱々しい名前で言ったが、買う前の時と比べたら少し優しくなった?気がする。
買われなかったら店の中で何かされてたのかな…?
そう考えていたら急に名前が浮かんできた
「そうだ!君の名前はジンクスでいい!?」
「それで…いいよ」
奴隷の名前が決まった所で今初めて人のステータスが見れることに突然気づいた。
そして試すように「ジンクスのステータスオープン」と呟いた。
```
名前:ジンクス
出身地:蝿国ノベタン
種族:蝿族
レベル:25
攻撃力:109
防御力:96
素早さ:750(+500)
魔力:100
【スキル】
SP:10
・俊敏の極み:Eランク
【称号】
なし
```
Bランクの冒険者には負けるけど、レベル的に結構強くて素早さがめちゃくちゃ強いなと思いながら、満はジンクスの方を見た
「なんですか…?」
「よしッ今日からジンクス…お前は特訓だ!」
そう言うと、ジンクスは急に震えだした。なぜかジンクスに聞くと、昔ジンクスは奴隷商の所で特訓という名の拷問などを受けていた経験があったそうだ。
「そんなことやらないから安心しな。あとお前の部屋も個別で用意してやるよ!」
そう言うとジンクスは少し安心したような顔つきになった。
そして、色々な観光を済ませた所でジンクスの特訓のためについでにギルドで依頼【ゴブリン×10匹倒せ】という依頼を受けた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
バルタナ王国を出て、ゴブリンの巣に向かって移動を始めた。
「その…戦闘初めてやるのですが大丈夫なんですか?」
「大丈夫大丈夫、俺強いから…!あと、その敬語やめてもいいよ」
そう言いゴブリンの巣にたどり着いた満はジンクスに対してゴブリンの巣で一人で戦わせた。
ジンクスは初めての戦闘とは思えないほど俊敏な動きで、ゴブリンの頭叩き潰していった。
そしてあっという間にゴブリンの巣を殲滅したのだ。
「す、すげぇ」
「ジンクス!お前何レベルアップした?」
そう聞くとジンクスは3レベルアップしたと言い、ステータスは10上がっていた。
こう見るとやはり、成長速度加速系のスキルの効力って強いなと思っていると、ジンクスが「主様って今何レベルなの?」と聞いてきた。
「今は、レベル200かなぁ」
そう言うと、ジンクスは驚いた表情で「なら、Aランク冒険者なんですね!」と言った。
「ジンクス…その主様っていうのやめて満って呼んでもいいよ」
「わかりました!」
そう言う会話をしていると、ジンクスは元気を取り戻してるような気がした。
そして、ジンクス会話しているとわかったことがある。
それは、ジンクスは自分の故郷である蝿の国ノベタンへ戻ることらしい。
満は特にすることが無いので、いつか叶えてあげたいなぁと思いながらバルタナ王国へ戻った。
◇◆◇◆◇◆◇◆
バルタナ王国へ戻り終わった頃にはエンシス国からバルタナ王国に移動するのに結構時間がかかったのか、もう昼過ぎだった。
「よし、ジンクス…宿に戻って今後何するか話し合うぞ!」
「わかりました」
そして、宿屋に戻った満は酒を飲みながらジンクスと話し合った。
「なぁ…お前蝿の国ノベタンに戻りたいのか?」
「ま、まぁ…そうですが…」
ジンクスが何か言われるのかな?と思いながら喋っているせいで少し声が震えている
「安心しろ。何も言わないから」
そう言うとジンクスは少し安心したかのような顔になった。
「よし、じゃあ次の目標はそこを目指すことにするかぁ」
-正直言ってそれだけなら、SPからスキル[瞬間移動]とか買っていけば一瞬だけど異世界エンジョイしたいから、馬車とかで行くか。面白くなりそう-
「え!?奴隷にそこまでするんですか?……もしかして、ノベタンを滅ぼすんですか…?」
「そんなことしないよ。そこまで行ってお前その故郷に返してさよならするだけ」
そう言うとジンクスは何かを決心したかのような顔で「お願いしますッッッ!」と言った。
「よし、じゃあこれからの計画も立てるか。オレはお前も強くしたいかさ」
「それでは今日このバルタナ王国に3日間泊まり、ここでステータス強化のトレーニングを行い、次の国にまた泊まり3日間トレーニングというのはどうですか?」
「それ良いね。ちなみに蝿族って嫌われてたりする?」
「はい…ゴブリンの次ぐらいに嫌われていますね…」
「じゃあ宿の中で容姿でも買えるか」
「はい????」
そう困惑した感じで宿の中に入っていった。
「ほんとに容姿変えられるんですか?」
「かえるというよりかは変装かな?」
そう言い終わった満はアシストモードにSPを使用してAランクのスキルであるスキル[上級変装]を購入して、ジンクスの姿形を人間の成人男性に変えた。
「うわぁ〜ありがとうございます。」
「はいよっ今日はもう別の部屋で寝な」
「わかりました」
そういう会話をした後に満は就寝した
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