冒険者ギルド全面攻撃①

 朝になり、満は元気よく起きた。


「さてと、俺がやりたかったスキル[スキルの魔生成]でも使うとするか。」


「生贄にするスキルは何にしようかな〜」


 満は鉄壁放火と手斧、拳術のスキルを選びスキル[スキルの魔生成]を始めた。


《スキル[スキルの魔生成]を使用しました。その結果、無限挑戦の矛というA+ランクのスキルを手に入れました。》


「お!強そうなやつ出たやん。」


 満はすぐさまスキル[無限挑戦の矛]の説明を閲覧した。


《無限挑戦の矛:自身の全ステータスのステータスポイントを攻撃力に捧げ殺傷能力の高い攻撃を繰り広げる。

 攻撃のパターン数は数十種類にも及び、殴った一瞬で相手の防御力を貫通するクリティカルヒットが起きるまで亜空間次元で無限に挑戦する。


以下は詳細事項です。

・スキルランクE到達:攻撃力と防御力が2倍になる

・スキルランクD到達:攻撃力と防御力はランクD到達時の効果に加えて更に2倍になる

・スキルランクC到達:防御力と素早さの数値を残したまま、全ステータスを加えられる

・スキルランクB到達:全ステータスを残したまま、全ステータスを加えられる

・スキルランクA到達:全ステータスのステータス上昇倍率上昇

・スキルランクS到達:進化(0.00000756%)又は全ステータスに上昇時の効果に加えて全ステータスは2倍になる

・スキルランクZ到達:全ステータスの上昇倍率の効果に加えられた上昇倍率の強化と進化(0.00356%)させる》


「なるほどねぇ〜…鉄壁放火の良いところを持ちながら拳術の手数の多さ、手斧の殺傷能力の高さ全て受け継いだのか」


 その後、身支度を済ませてから冒険者ギルドへ向かった


◇◆◇◆◇◆◇◆


 冒険者ギルドに入り美味しそうなスイーツを食べていると、急にギルド中に「緊急会議の結果、今から全体でオークの集落を潰すことが決定されました。直ちにグループを作り、オークの集落を潰していってください」というアナウンスが鳴り響いた。


「どうしよ。俺異世界来てから宿屋におやっちゃんと受付嬢とシステムとアシストモードぐらいしか喋ったことねぇ」と小声で呟いていたら、運良く3人組の初心者の冒険者グループが声をかけてきた。─まぁ俺も初心者だけど冒険者ランクCだから初心者じゃないでしょ。タブン─


「オークと戦うの初めてなので、一緒にオークの狩りをしませんか?他の所にあたると全て断られたので……」


 そう初心者のグループのリーダーっぽい人に声をかけられた。

 満は特に他の人と交流したことがなかったので、OKと答えた。

 そして、オークの集落一つにつき3つのグループで攻撃することになり、俺達はクワイ山のオークの集落を攻撃することになった。


 クワイ山はヒマイ山よりも通り位置にあるので、何故冒険者達で一斉にオークの集落を破壊するか話したところ、


「最近ここらへんでオークが増えてるらしく、オークが増えると子作りなども盛んになり確率的にオークナイトが生まれることがあり、最悪の場合オークキングが爆誕する。そのオークキングが誕生したらいくつもの村や街が消滅し、最悪国の存続に関わり大金を払ってSランク冒険者を雇わないとやばいことになるから、オークが増えたら定期的にオークを駆除するんだよ。」


と言っていた。

 満は昨日スライムソルジャーと戦ったので、十分ナイトやまししてやキングの強さを想像するだけで鳥肌が立った。

 そうしているとアシストモードが急に起動した。

《昨日のスライムソルジャーは通常のスライムソルジャーとは異なり、特殊条件下で誕生する変異体です。その強さはオークナイトにすら届きます。つまり、貴方にはオークナイトを討伐できる強さを保有しています。今の貴方の最大火力は昨日よりかは下がりましたが、2600ほどありオークナイトクラスなら瀕死クラスまで追い込めるためそこまで恐れる必要はないでしょう》


 そうアシストモードが言い、なぜか満を励ましてくれた。

 少し気持ちは軽くなった満に初心者グループのリーダーであるカインが「なぜ貴方は剣や弓を持っていないんですか?」と言ってきたので、「これが俺のファイティングスタイルなのだよ!」と返した。

 まぁそういう良い感じの雰囲気でクワイ山に向かっているとオークが三体ほど現れた。


「じゃあここは初心者グループの人がどれぐらい強いか確認するために、戦闘してみて!」


 そうベテランの冒険者が言い、初心者グループはオーク三体を目の前に円形の陣を開いた。


「よしじゃあ、まずジュディ!俺にバフ系の魔法をかけてくれ!」


 そうカインが言った。

 その時に満は初めて魔法にはバフ魔法のようなものがあるという存在を知った。


「それでマサイは俺が攻撃した瞬間、相手が俺の攻撃に注意の視線を向けている間に攻撃しろ!」


「よしいくぞ!」


 命令通りジュディという女性がカインにバフをかけた所までは良かったのだが、真っ先にジュディが狙われ、オークの本気のパンチがジュディに当たりそうになった。

 それが当たる直前に満が止めに入った。


「満さん!」


 そうカインの叫び声が聞こえたが、心配する必要はない。

 満はオークの顔面に本気にパンツをお見舞いし、無限挑戦の矛の拳術の部分を試すことにした。

 さっきのパンチで1体オークは倒れたので、次のオークは間接加速拳の上位互換である多関節加速拳をお見舞いした。

 その速度は雷速のような速さを誇っており、勢い余って2体のオークがこのパンチの餌食になった。


《レベルが13アップしました。+スキル効果により21レベル上がりました》


 満は思った以上にレベルが上がったので思わず「結構上がったな」と呟いた。


 そして、オークを瞬殺した俺に初心者グループはもちろんベテランの冒険者グループまでもが驚いた。


「お前…ほんとにCランクか?今の平均ステータスはどんぐらいだ?」


「多分…600ぐらいかな?それでも前までは60だったんですよ?」


 そう俺が答えたらポカンとした顔で、道を歩いた。


◇◆◇◆◇◆◇◆


 クワイ山の中に入り目的のオークの集落の近くに近づこうとしていると急に前方から弓矢が飛んできた。

 満は無事避けれたが後ろにいた冒険者の心臓にグサッと弓矢が刺さり、一瞬で死んでいった。


「ヒエッ」


 そう初心者グループのマサイが呟いた。

 まぁ無理もないだろう、初めて人が死んだ瞬間を見たのだからな。─そう言っている俺も初めて人の死を見たが、意外と平気であった─


 みんなが死んだ冒険者の死体を処理していると次は三本の弓矢が飛んできた。

 その弓矢は死んだ仲間の死体処理中に襲われても大丈夫なように結界を張っているおかげで無事だったが、オークの集落に向かわないと行けない以上この結界を解いて歩かないといけない。

 つまりこの弓矢に警戒をしないといけないということだ。


 満達が警戒態勢を取っていると、冒険者グループを集落に向かせまいと、満達を15体のオークが囲んだ。

 すると、ベテランの冒険者グループが「満!お前はクソ強いから、ここは何とかしとくからオークの集落潰してこい!」と言ったため満は急いでオークの集落へと向かった。

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