初めての異世界の国

 うぅ…結構ゴブリンキングとの戦闘で疲れたっていうのに…この森を抜け出るまで歩かないといけないなんて……

 しかも今日中に抜け出さないと夜は寝床なども作らないといけなくなり、非常に面倒くさい。

 そう思っていたらウサギに角を生やしたようなモンスターが俺の方に向かって突進をし始めた。


オラァッ!


 飛んできたうさぎのモンスターの横からパンチをしたら、うさぎはパァンという音と共に俺の拳に貫通された。


「あれ…思った以上に強くなっている…」


 想像以上に強化された自身の肉体。この肉体はもうすでに地球のスポーツマンやアスリートの身体能力を遥かに超えているだろう。

 どれほど強化されたかの確かめとして木に抱きつき思いっきり引っこ抜こうとした。するとビチビチという音と共に木が徐々に抜けていって、ズボッという音を立てて木を抜くことに成功したのだ。


「…???」


 レベルはたったの6しか上昇していない。それなのに既に木を抜くことに成功している。これは俺が手に入れたスキルが関係しているのか?などと思いながらまた、歩み始めた。


 十分ほど経過すると後ろの方からバサバサバサという音と共に俺が殺したウサギの家族?というか仲間?達─推定50匹ほど─が俺の方に走ってきている。

 その顔は怒りに満ち溢れており、素人でもわかるような大量な殺気を出している。だが、俺はもう既に人外のような身体能力をしているという自信もあり、真正面からウサギの全力ダッシュを受け止めることにした。


 大量のウサギが俺に思いっきりぶつかった。前方のウサギは俺の肉体は鉄の壁のように働きグチョリと潰れていった。

 そして後方のウサギも潰れていったが、生き残りのウサギは俺の身体に尖った角を突き刺してきた。だが俺の体は無傷!と、調子に乗っていたが、俺の体から血がブシャーーと吹き出し始めた。


 普通に痛い。そして普通に忘れていたが俺骨折してる状態なんだよね。つまり、出血多量で死ぬ前に俺はこのウサギを片付けないといけない。

 そう思った俺は、確実に一発でウサギを仕留めていった。時には横一列にいるウサギを横からのパンチで連続瞬殺したり、時にはウサギが集まっているところに回転しながら突っ込んだり、様々なやり方でウサギを倒していった。

 そして遂に!ウサギを全て討伐したのだ!


 だけど出血のし過ぎで流石に意識が吹き飛びそうだ─今思ったんだけど、異世界に来てから俺タフすぎん?地球では指切るだけでクソ痛がるんだぞ?なんか関係あるんかな?─

意識が吹き飛びそうで意識が朦朧としていたら《レベルが2上がりました。+スキル効果により1レベル上がりました》という声が聞こえた後に《10 レベ到達ボーナスで全身の怪我や病気を消滅させます》という音声が聞こえた瞬間に元気になった


「あぶねぇ…死ぬところだった。次から油断しないようにするか…」


 そう思った後にステータスを確認する為に「ステータスオープン」と唱えた。


```

名前:清水満

出身地:日本

種族:人間


レベル:10

攻撃力:61

防御力:59

素早さ:62

魔力:36


【スキル】

・経験値獲得効率アップ:Fランク

・ステータス上昇効率アップ:Fランク

・拳術:Fランク


【称号】

・ラビットスレイヤー

```


 ステータスを確認すると色々と追加されていた。まずスキルに剣術ではなく拳術が追加されるいた事と、称号が新たに追加されていたことだ。

 称号が結構あっさり貰えることに驚きながら拳術とは何かヘルプモードで聞くことにした。


「ヘルプモード」


《拳術とは、拳法や武術などを総括した読み方である。拳術を極めれば神の拳に届きうるという…》


 拳術は無事確認できたためまた国に向かって移動を始めた。多分後10kmぐらいだろ

う。そう思うながら草をかき分けて移動していると一つの道のようなものに出た。


 なにもない整備された道に馬車が通った。その馬車に乗っていた中年のおじさんは俺が目指している国に向かう途中だったので、向こうの国には後どれぐらいで着きますか?と質問をした。すると、徒歩で10時間と言われた。つまり約40kmはあるのだ。

 流石に疲れるのでおじさん乗せてもらってよいか聞いてみることにした。


「俺も向こうの国に向かおうとしてるんだけど、乗せてくれないか?」

そう問うとおじさんは即座に「良いよ」と答えた。私は馬車の荷台に乗せてもらい、揺れている馬車の中で眠りについた。



ペシペシ


「おーい。もう着いたぞー」


そう俺のほっぺを優しく叩いたのはおじさんだった。俺はまだほんとに異世界に来たのか半信半疑だったので、今ここで異世界にほんとに来たということが確定した。

 俺は小声で「ほんとに異世界に来ちまったのか…」と言いながらおじさんの荷台から降りて、おじさんとは別れた。


 そしておじさんはこの国の入り口前で降ろしてくれたので俺の前にあるには大きな門であり、その門の隣に兵士のような人物が2人ほど立っていた。

 俺は門に並んでいる行列の最後に並び自分の番が来るまで待つことにした。


 1時間ほどしてから自分の番が来た。兵士の「身分証の提示をお願いします」と言われたのだ。

 俺は勿論異世界に身分証など持っていない。その為ワンちゃんを狙って地球の身分証を渡した。

 兵士は2人で俺の身分証をみて小声で「これなんて読むんだ?」と話していた。この異世界は話は通じるのに文字は通じないようだ。その後1分ぐらいしてから兵士が首を傾げながら「と、通って良し…?」と言い俺は門の中…つまり国の中に入った。


 国の中は綺麗な大通りがあり、その横に商店街並んでいる。そして一番奥には城のようなものが一つあった。

 その中で一番俺の目を釘付けにしたのは"冒険者ギルド"という看板がついた大きな建物である。その中は居酒屋としても機能しているようだ。

 俺は吸い込まれる様に冒険者ギルドの中に入っていった。


ガチャ


 大きな扉を開けると巨漢な男達がビールをがぶ飲みしている空間が中央部分にあり、その右側に受付、左側に二階に続く大きな階段があり、一番奥とこのドア側にクエスト版のようなものがあった。

 俺はこの入り口の目の前で少し考えた。俺はこの世界で一生を過ごすかもしれない。だから仕事などをしてお金を稼がなければならない。オレはもう冒険者として職に就いたほうが良いのではないか?と。

 顎に手を当てながら考えた結果、俺は冒険者として生きる道を選択することにした。つまり受付に行って新規登録をしなければならない!俺は受付に向かった。


 俺は受付に到着して、「冒険者に登録がしたいのですが…」と話しかけた。すると、受付嬢が新規登録に必要なお金と冒険者の保険─武器や治療代など─や新規登録に必要な採用試験合格の実績が必要と言われたので、少し冒険者になるのに時間がかかるだろう。

 冒険者の採用試験は結構な頻度でやっているようで、明日行われるのでそれに参加してお金等は地球の高品質な服俺は着ているのでこれを売ってお金を稼ぐつもりだ。

 とりあえず今日は冒険者ギルドから出て、冒険者ギルドに近い服屋に向かった。


 服屋に到着すると、早速自分が着ている服を売ることにした。高品質な服と判断されたようで金貨1枚ほど貰えた。この金貨などの価値については商店街の物価から考えると銅貨1枚=10円、銅貨100枚=銀貨1枚(1000円)、銀貨100枚=金貨1枚(100000円)までは分かった。

 つまり俺の服が10万で売れたってわけだ。これで宿代は確保+新しい服の購入を行える為新しい服を早速銀貨5枚ほどで購入し、朝食が付いてくる宿屋で銀貨10払って眠りについた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る