第20話

「キラーズライフ」20


それから事が進むのは早かった…


ニーナと付き合って…結婚して…


なんか…順調過ぎて怖いな…


〜半年後〜


ー裏路地ー


刃月「ふぅ、これで今日の分の依頼も達成だな」


ニーナ「調子良さそうですね」


刃月「いや、順調過ぎて怖いくらいだよ…」


ニーナ「そんなに身構えなくても大丈夫ですよ」


ニーナ「私たちは必ず良い方向に向かって進んでます」


刃月「・・・」


刃月「それはそうとして…お前…本当に仕事やってて大丈夫なのか…?」


ニーナ「ふふっ…私の方が等級は上なんですよ?」


ニーナ「"お腹に子供を抱えている"からって仕事ができないわけじゃないですよ?」


ニーナ「それに…もし、私に万が1のことが起こってもあなたが守ってくれるんでしょう?」


刃月「まぁ…それはそうなんだが…」


ニーナ「そんなことより、この子の名前を先に決めておきませんか?」


ニーナ「きっとこの子は私とあなたからの最初のプレゼントを待ち侘びていると思いますよ?」


刃月「・・・」


刃月「そうだな…」


刃月「よし、じゃあ名前を考えるか」


ニーナ「私、男の子だったらアレンって名前を付けたいんだけど、どうかな?」


刃月「そんな…俺が男の子のときの名前を決めたかったのに…」


ニーナ「あら?そうだったの?ごめんね笑」


刃月「はぁ…じゃあ俺は女の子だったときの名前を考えるか…」


刃月「う〜ん…そうだなぁ…」


刃月「・・・」


刃月「"リア"…なんて名前はどうだ?」


ニーナ「うん。とても良い名前だと思う」


刃月「ニーナもそうおも…」


その…瞬間だった…


最初は…俺にも何が起こったのか理解できなかった…


ただ…俺の目の前で横たわる彼女と…銃声の音が響いていた…


刃月「・・・ッ!」


俺が気づいたときにはもう遅かった…


彼女は…もう…息をしていなかった…


・・・


俺が事務所に戻ると…所長は俺の顔色と…ニーナがいないことで全て悟ったようだった…


そして…俺はニーナを死なせてしまった責任を負い…等級は3段から9段に落ちて…ニーナの色と異名を俺が受け継ぐことになった…


それから俺は…酒に溺れ…現実から目を逸らして…また…帰ってくるはずのない存在を待ち続けていた…


その状態から復帰し始めた頃に…俺はリアと出会った…


つづく…

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