第19話
「キラーズライフ」19
それから…彼女と共に依頼をこなす日々が1年続いた…
ニーナ「あなたが私を外出に誘うのは珍しいですね?」
刃月「・・・」
ニーナ「それにしてもいつになったら着くんですか?」
ニーナ「あなたが良いお店があるって言うから私も着いていったのにもう40分くらい歩いてるじゃないですか」
刃月「・・・」
ニーナ「どこに行くのかぐらいは教えてくれませんか?」
刃月「…酒屋…」
ニーナ「はい?」
刃月「はぁ…とりあえず着いて食べてみたらわかるって…」
ニーナ「変なものを食べさせるつもりじゃないですよね?」
刃月「先に言っとくけど怪しいところじゃないし、変な場所でもないよ…」
ニーナ「ふ〜ん…そうですか…」
〜到着〜
ニーナ「・・・」
刃月「・・・」
ニーナ「居酒屋…」
刃月「ちょっとくたびれてはいるけど、本当に良いところだから…」
ニーナ「本当に…ここなんですか…?」
刃月「・・・」
〜店内〜
ニーナ「・・・」
刃月「・・・」
ニーナ「はぁ…誰が初デートにこんな場所を選ぶんですか?」
刃月「ブフッ…」
ニーナ「うぅ…汚い…」
刃月「ゲッホゲッホ…」
刃月「デートだって!?」
ニーナ「私の勘違いだったんですか?」
ニーナ「待ってください、よく考えてみればそうですよね」
ニーナ「どこか行くときも私が先に誘うし、そのたびに必ず事務所の同僚も呼んでくるし…」
ニーナ「依頼を達成するとき以外は2人で過ごしたことなくないですか?」
刃月「・・・」
刃月「ここ…そんなに好きじゃないのか…?」
ニーナ「普通はお昼を食べに行くからって裏路地を40分も歩いてボロい居酒屋に来たりしませんよ」
ニーナ「それにしても…」
ニーナ「ここの揚げ物美味しいですね?」
ニーナ「特にこの軟骨の唐揚げが…」
刃月「だろ!?」
刃月「ここに連れて来るとみんな微妙な顔するけど、いざここに入って色んなもん食えば美味いって言うんだよな!」
ニーナ「美味しいものの話をしてるときは完全に別人になりますね」
ニーナ「それで…どんな風の吹き回しでこんなところまで私を連れて来たんですか…?」
刃月「・・・」
刃月「お前は勘が良いからわかると思ったんだけどなぁ…」
ニーナ「直接聞かないと信じられませんから…」
刃月「・・・」
プルルルル…
刃月「ん?緊急呼び出しか…」
ニーナ「…時間がないから、ひとことだけでもお願いしますよ」
刃月「わかった!わかったよ!実は…」
ニーナ「好きです」
刃月「・・・」
刃月「ふぁ!?今なんて…ッ!?」
ニーナ「あなたは…どうですか…?」
刃月「・・・」
刃月「俺も…だ…」
本当は…君が何日か前に買った商品を実験も兼ねて触ったら壊しちまったって話をしようとしてたんだけど…
それに…俺の気持ちを伝えるのはもうちょっと小洒落た場所でやりたかったのに…
その言葉を聞いた瞬間、そんなのはもうどうでも良くなった…
つづく…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます