第91話

後ろに陸の食べる気配を感じながら、あたしは目を閉じたまま少しずつ心臓を落ち着かせていた。





それと同時に襲ってくる睡魔。





「奈津の母さんの卵焼き、うまいな」




陸の低すぎない声が子守歌みたいに耳に響く。





そよそよと吹く風が気持ちよくて





あたしはいつの間にか本当に眠ってしまっていたんだ。









午後の部が始まる少し前





あたしのホッペタに冷たいなにかが触れた。





「ひっ」と小さく声を上げて目を覚ます。

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